
新入社員研修とは?目的・形式・メリットを分かりやすく解説
新入社員研修は、採用活動の成果を定着させるため、そして新入社員の早期戦力化のために欠かせないプロセスです。
効果的な新入社員研修を実施するためには、研修の目的や主な種類別のメリット・デメリットを把握し、自社に合った内容にすることが欠かせません。
この記事では、新入社員研修の目的とともに、自社で研修を行う「内製」と、外部の専門企業に依頼する「外部委託」それぞれのメリットとデメリットを解説します。また、外部委託を検討する際の具体的な選び方も詳しくご紹介します。
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新入社員研修の目的とは?
新入社員研修は、新卒者が企業の一員として活躍するための土台を築く重要なプロセスです。その目的には、主に以下の4つがあります。
社会人基礎スキルの習得
ビジネス環境で働く上で不可欠な基礎スキルを身につけることが、新入社員研修の最も基本的な目的です。具体的には、ビジネスマナーや正確な報告・連絡・相談(報連相)の仕方、メールや電話での適切な対応などを指導します。
これらのスキルは、円滑な人間関係を築き、スムーズに業務を遂行するために欠かせません。
企業理念・文化の理解促進
企業理念や行動指針、そして企業独自の文化を深く理解することは、新入社員が会社の一員としての自覚を持つうえで重要です。
新入社員研修を通じて、自社の使命やビジョン、そして働くうえで大切にしている価値観を共有することで、帰属意識や仕事に対する目的意識を醸成します。これにより、モチベーションの維持や離職の抑制が期待できます。
同期・職場とのつながり強化
入社直後の新入社員は、慣れない環境のなかで少なからず不安を抱えています。
新入社員研修は、同期との交流を促し、横のつながりを作る絶好の機会です。また、先輩社員や上司との交流できる機会を設けることで、入社後のコミュニケーションが円滑になります。こうした人間関係は、心理的安全性を高め、早期離職を防ぐセーフティーネットとしての役割も果たします。
即戦力化への土台作り
新入社員研修は、配属後の業務にスムーズに適応するための準備期間でもあります。そのため、論理的思考力や情報収集力、問題解決能力といった、業種や職種を問わず必要となるポータブルスキルを育成する目的でも実施します。
これらのスキルは、将来的に新入社員が自律的に考え、行動するための土台となります。
【参考コラム】
内製研修のメリットとデメリット
新入社員研修の実施方法として、自社の社員が講師を務める「内製研修」があります。内製研修のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
内製研修では既存社員が講師を務めるため、新入社員との間に自然なコミュニケーションが生まれ、部署や役職を超えた交流が促進されます。これにより、組織へのスムーズな定着が期待できるでしょう。
また、社風や企業文化といった、外部研修では伝えきれない価値観を直接共有できるのも内製研修のメリットです。業界特有の専門知識や自社製品に関する深い情報など、社内に蓄積されたノウハウを効果的に伝えられます。
さらに、社内の都合に合わせて日程を柔軟に調整できるため、業務の進捗に合わせた最適なタイミングで研修を実施できます。
デメリット
内製研修を実施する場合、企画から運営まで社内で行う必要があり、人事や研修担当者の業務負担が大きくなる傾向があります。また、講師を務める社員によって教え方や伝える内容にばらつきが生じ、研修の質が一定しないリスクもあります。
加えて、内製研修は一方的な講義形式になりやすく、学生から社会人になったばかりの新入社員にとっては退屈に感じられるかもしれません。
受講人数が少ない場合は、グループワークやディスカッションのような双方向の学びを取り入れることが難しく、実践的なスキルを習得しにくいという課題もあります。
これらのデメリットは、研修の効果を低下させる要因となり得るため、事前にしっかりと対策を講じることが重要です。
外部委託研修のメリットとデメリット
外部の専門企業に新入社員研修を依頼する「外部委託研修」にも、メリット・デメリットがあります。
メリット
外部委託研修は、専門知識や豊富な経験を持つプロの講師が担当するため、質の高い学習機会となります。特にビジネスマナーや社会人基礎力、論理的思考力といった、社会人に求められる普遍的なスキルを効率よく習得できる点が強みです。
また、多くの外部委託研修は座学だけでなく、受講者が飽きずに最後まで集中できるようなプログラムが組まれています。グループワークや実践的な演習を通じて、新入社員はより深い理解を得られるでしょう。
さらに、他社と合同で実施される外部委託研修なら、社外の人々と交流する機会が生まれます。これにより、多様な価値観に触れ、視野を広げることが可能です。
研修の企画や運営を外部に任せることで、人事や研修担当者のリソースをコア業務に充てられる点も大きなメリットです。
デメリット
外部委託研修では自社の独自性を伝えにくい傾向にあります。社風や企業文化といった社員でなければ理解しにくい要素は、外部講師では十分に伝えられません。
また、外部委託研修のプログラムはパッケージ化されていることが多く、自社の抱える課題や要望に柔軟に対応できないケースがあります。特定の業界知識や自社商品に関する専門的な内容を深く教えられる講師の手配も難しいでしょう。
さらに、外部委託研修は基本的に決められた日程で実施されるため、社内の業務状況に合わせた柔軟な調整が困難です。
これらのデメリットは、研修の効果を最大化するうえで考慮すべき課題といえます。
【参考コラム】
新入社員研修の外部委託先選びのポイント
内製と外部委託のメリット・デメリットを比較したうえで、外部委託を検討する場合は、以下のポイントを踏まえてパートナー企業を選ぶことが重要です。
自社の課題や目的に合ったサービスか確認する
外部委託を検討する前に、まず「新入社員にどのようなスキルを身につけてほしいか」「どのような課題を解決したいか」を明確にしましょう。これは、ビジネスマナーを徹底させたいのか、それともロジカルシンキングのような実践的なスキルを習得させたいのかによって、適切なサービスが異なるからです。
そのうえで、提供される研修プログラムが自社の目的に合致しているかを確認することで、適切なパートナー企業を選びやすくなります。
料金体系や研修・講師の実績を確認する
研修会社によって料金体系は異なります。主に、受講人数に応じて費用が発生する「集合型/公開型研修」や、研修の実施回数で費用が決まる「講師派遣型研修」などがあります。どちらが適しているかは企業によって異なるため、慎重に検討しましょう。
また、研修会社の過去の実績や講師のプロフィールも、サービスの質を測るうえで非常に重要です。自社の業種や規模と似た企業の研修実績があるか、講師の実績はどれほどかなどを確認しましょう。
研修の効果測定、狙いを明確にする
新入社員研修を実施する目的を明確にし、研修の効果測定を定義しておきましょう。そのためには研修会社の担当者との密なコミュニケーションが不可欠です。事前のヒアリングから、研修後の効果測定、研修後のフォローまで、スムーズな連携が取れる体制が整っているかを確認しましょう。
研修はとかく、実施することが目的化しやすく、やりっぱなしになりがちです。何のために研修をするのか、目的達成をどう検証するのかまで確認しておく必要があります。
【参考コラム】
まとめ
この記事では、新入社員研修について以下の内容を解説しました。
・新入社員研修の目的は「社会人基礎スキルの習得」「企業理念・文化の理解促進」「同期・職場とのつながり強化」「即戦力化への土台作り」
・新入社員研修の実施方法には、自社の社員が講師を務める「内製研修」と外部の専門企業に新入社員研修を依頼する「外部委託研修」がある
・新入社員研修の外部委託を検討する場合は「目的に合っているか」「料金体系や実績に問題はないか」「研修の目的を共有化できるか」などを確認してパートナー企業を選ぶのがおすすめ
新入社員研修は、新卒者の社会人生活のスタートを支え、長期的な成長と定着を促すための重要なプロセスです。自社のリソースや目的に合わせて、内製と外部委託を賢く使い分けることが、より効果的な研修を実現する鍵となります。
外部委託を検討する際は、自社の課題を明確にし、質の高いプログラムと充実したサポート体制、そして強固なセキュリティを持つ信頼できるパートナーを選ぶことが成功につながります。
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