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SPIEGEL12月号|11月末時点の26・27年卒市場動向調査(企業・学生調査)

SPIEGELとは?

株式会社採用総研が毎月発行している、就活生と新卒採用実施企業に関する動向調査です。シュピーゲルはドイツ語で「鏡」という意味。採用コンサルティング会社として、就活生と企業、どちらにも接点を持っている当社だからこそ発信できる、「採用のリアル」をありのまま映し出す鏡のようにお届けします。

調査概要

内容

2027年卒就活生・新卒採用実施企業の動向調査

調査期間

2025年11月25日~2025年11月30日

調査対象

弊社アンケートモニター

調査方法

WEBフォームによる回答

目次[非表示]

  1. 1.SPIEGELとは?
    1. 1.1.調査概要
  2. 2.学生動向
    1. 2.1.インターンシップ平均エントリー社数・エントリー率
    2. 2.2.インターンシップ平均参加率
    3. 2.3.インターンシップ平均参加社数
    4. 2.4.早期選考平均参加社数・参加率
  3. 3.企業動向
    1. 3.1.<26卒データ>地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(12月1日時点)
    2. 3.2.<26卒データ>マイナビ全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(12月1日時点)
    3. 3.3.<27卒データ>マイナビ コース掲載社数 2か年比較(12月1日時点)
    4. 3.4.<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース数(インターンシップver) 2か年比較(12月1日時点)
    5. 3.5.<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース数(仕事体験ver) 2か年比較(12月1日時点)
    6. 3.6.<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース数(オープン・カンパニーver) 2か年比較(12月1日時点)
    7. 3.7.<27卒データ>マイナビ2027 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(12月1日時点)
    8. 3.8.<27卒データ>マイナビ2027 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(12月1日時点)
    9. 3.9.<27卒データ>マイナビ 会員登録者数 2か年比較(12月1日時点)
  4. 4.学生アンケート(27卒)
  5. 5.新入社員エッセイ<2025年4月入社>
    1. 5.1.阿部美洸<青山学院大学卒>
    2. 5.2.深谷泰生<成城大学卒>

学生動向

インターンシップ平均エントリー社数・エントリー率


■エントリー完了期

11月末時点でエントリー率は94.0%(前月比3.8ポイント増)となり、学生のほとんどが興味のある企業へのエントリーを済ませています。秋冬イベントの拡充により情報収集が早まり、20社エントリーを確保したうえで、ここからは、学生が「選考に進む企業をさらに絞り込む」段階に入っていくことが予想されます。

インターンシップ平均参加率

■参加率は横ばいに

対面参加率は78.9%(前月比0.5ポイント増)、WEB参加率は89.5%(前月比0.7ポイント増)と高い数値ですが、前月ほどの伸びは見られません。10月後半からは後期授業が本格化する時期で、対面は増加しにくくなります。
一方でWEBは微増が続き、授業と両立しながら「WEBで広く、対面は志望度の高い企業に限定」する傾向がより明確になっています。

インターンシップ平均参加社数


■WEB中心に比較進む

WEB参加社数は10.0社(前月比1.4社増)まで増加し、学生はオンラインを軸に比較を進めていることが分かります。
一方、対面は5.3社(前月比0.2社増)と伸びが小さく、「目的を絞った参加」が定着しつつあります。年末に向けて最終判断の材料集めが進む時期であり、企業としては個別面談など、志望度を高める深い接点づくりを進めるべき段階に入っています。

早期選考平均参加社数・参加率


■選考参加が加速

早期選考参加率は63.7%(前月比13.9ポイント増)となり、3人に2人がすでに選考に進んでいる状況です。選考直結型インターンの増加に伴い、学生の行動も「秋までに比較し、冬に選考へ進む」流れが強まっています。選考参加社数も4.5社まで増加しており、複数企業を並行して見極める動きが一段と活発化しています。
こうした状況から、企業側にはインターン後の個別フォローや、選考へつなげる仕組みづくりがより重要になっています。

企業動向

<26卒データ>地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(12月1日時点)

<26卒データ>マイナビ全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(12月1日時点)

■26卒向け説明会は、全体で前年比+370社、WEBは+671社と増加

マイナビ2026における説明会告知社数は、11月時点でも前年を大きく上回り、26卒採用を継続する企業は25卒採用より増加しています。特にWEB説明会は大幅に増え、後半の採用活動のオンライン化がさらに進展していることがうかがえます。
年々厳しさを増す採用市場の中で、採用が充足していない企業を中心に、より長期的に学生との接触を図る動きが顕著になっています。

<27卒データ>マイナビ コース掲載社数 2か年比較(12月1日時点)

■プレナビコース掲載社数は、12月時点で前年比1,278社増加

マイナビ2027におけるプレナビコース掲載社数は、12月時点で前年比1,278社増と大幅に増加しました。通年で見ると、6月〜12月の期間では9月を除き、27卒のプレナビコース掲載社数が前年を上回る状況です。この背景には、学生との早期接点を強化し、興味形成の段階から継続的にアプローチしたいという企業ニーズの高まりがあると考えられます。

<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース数(インターンシップver) 2か年比較(12月1日時点)

<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース数(仕事体験ver) 2か年比較(12月1日時点)

<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース数(オープン・カンパニーver) 2か年比較(12月1日時点)

■「インターンシップ」・「オープン・カンパニー」が大幅増—1年間の流れと12月実績を比較

27卒の「インターンシップ」は、26卒と比較して実施企業数が大幅に増加しています。
特に6月~8月は、前年比1.5倍程度の伸びを示し、コース数も2,000を超えています。
ただ、9月以後は前年を上回っているものの開催されているコースは目に見えて減少しています。
「仕事体験」は9月までは前年を上回る開催数でしたが、10月からは一転し、3か月連続で前年を下回っており「オープン・カンパニー」に移行する企業が一定数あることが見て取れます。
一方、「オープン・カンパニー」は毎年冬場に企画が増える傾向がありますが、27卒ではその伸びがより顕著になっています。

<27卒データ>マイナビ2027 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(12月1日時点)

<27卒データ>マイナビ2027 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(12月1日時点)

■実施日数は「1日開催」が大半を占める構成に

実施日数別の掲載社数では、「1日開催」が18,000社に近く依然として圧倒的で、短期型プログラムが非常に多い状況が見て取れます。
そのほかの2〜4日開催、5日〜2週間未満といった中期プログラムは、前月よりわずかに開催コースが減少し、2週間以上の長期プログラムはわずかに増加しています。
オンラインと短期開催を組み合わせた効率的な母集団形成が主流である一方で、自社の魅力を深く伝えるために長期プログラムを検討する企業も増えるなど、学生との接点づくりの多様化が進行しています。

<27卒データ>マイナビ 会員登録者数 2か年比較(12月1日時点)

■学生登録数は前年超えで早期化が加速

マイナビ27卒の会員登録者数は、前年同時期よりも全体・理系ともに増加しており、学生の動き出しは引き続き早期化しています。特に理系は前年比+40,925人で大きく伸びており、専門性の高い学生を早い段階から確保する必要性が高まっています。
マイナビの会員数は堅調に推移しており、採用に向けて早期からの積極的な情報発信が成果につながりやすい状況です。企業側は、学生の比較検討が本格化する前に、魅力を伝える場を多く持つことがポイントになります。

学生アンケート(27卒)

「マイナビ」が94.6%と、前月に引き続き圧倒的な支持を得ていることがわかります。続いて、2位「OfferBox」59.9%、3位「リクナビ」44.6%という結果となりました。また、前月と比較して「OfferBox」が4.4ポイント、「ONECAREER」が0.6ポイント、「キミスカ」が10.4ポイント上昇しています。
インターンシップや早期選考で忙しくなっている中でも、学生が新たな企業を探すためにスカウト型サービスを活用していることがうかがえます。

最も多く回答を集めたのは「必要を感じた時のみ更新している」42.9%となり、「定期的に更新している」19.4%を含めると、6割以上の学生がスカウト型サービスに登録している情報を更新していることがわかりました。
一方で、「ほとんど更新していない」と回答した学生も37.7%いることから、登録情報を鵜吞みにせず、コミュニケーションを通じて学生の状況を引き出していくことが、企業と学生双方にとってミスマッチ防止に繋がるといえます。

「ある」と回答した学生38.4%、「ない」と回答した学生が61.6%という結果となりました。「ある」と回答した学生からは「幅広い業界からオファーをもらうため」や「社風や会社の雰囲気を重視しているため」「勤務地を優先しているため」という意見があげられました。
学生によって何を軸に企業を探しているかは異なるため、企業は1つの訴求ポイントではなく、複数の訴求ポイントが伝わるオファーの文面になっているかどうか検討する余地がありそうです。

就職活動において大学のキャリアセンターを利用したか尋ねたところ、「すでに利用した」が62.9%と過半数を超えました。
利用した学生は「就活の進め方を相談するため」に利用しており、就職活動を始める第一歩としてキャリアセンターを利用するケースが多いようです。

1位「適性検査の受検」78.9%、2位「面接に参加」62.9%、3位「オープンカンパニーに参加」60.9%という結果となりました。
前月実施した同様のアンケートで上位を占めていた「エントリーシート作成・提出」(前月1位)、「インターンシップに参加」(前月3位)が、今月はそれぞれ4位、6位と順位を落としていることからも、学生の就職活動のフェーズが企業選びから選考参加にシフトしてきていることがうかがえます。

最も多く回答を集めたのが「面接に参加」64.3%という結果となりました。2位は「インターンシップに参加」60.5%となり、3位「エントリーシート作成・提出」45.9%が続く結果となりました。
「面接に参加」「面接の対策」など選考を視野に入れた活動が増えている一方で、「インターンシップに参加」など新たな企業との出会いを求める動きも、引き続き活発に行われることが予測されます。

「WEB」と回答した学生が72.1%と圧倒的な支持を得る結果となりました。
「タイパ重視」がトレンドになりつつある昨今の就職活動において、参加の負担が少なく気軽に情報を得られるWEBコンテンツを用意することが企業に求められています。

最も多く回答を集めたのは「オープンカンパニー」60.2%という結果となり、「1Day仕事体験」53.1%、「インターンシップ」50.0%と続く結果となりました。
オープンカンパニーや1Day仕事体験のような参加しやすいコンテンツが初回接触の形式として好まれる一方で、インターンシップのようにより深い企業理解を初回接触のタイミングから求める学生も一定数いることがうかがえます。
初回接触のコンテンツとして「学生が気軽に参加できる」だけでなく、「より深い企業理解の場」も提供したいところです。

1位「活躍している社員の話」20.4%、2位「配属先候補の雰囲気」20.0%、3位「入社2~3年目の成長ステップ」19.7%と、上位3項目が僅差で並ぶ結果となりました。
入社後の成長モデルや配属先の雰囲気、社員の活躍事例といった“未来の自分を想像できる情報”を提示することで、学生に満足感を感じてもらえる説明会やオープンカンパニーを実施できると考えられます。

1位が「話す社員の雰囲気が良い」60.2%という結果となりました。多くの学生が社員の雰囲気や職場環境を通じて企業との相性を見極めたいと考えています。また、2位には「福利厚生(通勤手当や住宅手当など)が良い」が57.5%で入りましたが、待遇面の安心感も選考意欲を高める重要な要素となっているようです。
企業は、社員紹介や職場のリアルな雰囲気を可視化する情報発信をすることで、学生の選考参加への後押しができると考えられます。

「2回」が57.8%、「1回」が26.2%、「3回」が15.0%と9割以上の学生が説明会やオープンカンパニーなどから選考までの間に面談を求めている学生がほとんどとなっています。「2回」が6割近くなっており、この時期の学生が選考に進むことに慎重であることがわかります。
選考前の面談を通じて学生の不安を解消し、理解を深めてもらう機会を設けることが、学生の志望度向上や選考辞退の防止の鍵となりそうです。

「インターンシップや仕事体験参加後のフィードバックが丁寧」が64.6%と最も多くの回答を集め、「フランクに接してくれる」61.6%、「質問した際に求めている以上の情報を的確に提供してくれる」50.7%が続く結果となりました。「返信が早い」32.0%、「日程調整の融通を利かせてくれる」18.4%も一定の支持を得ています。
企業としては、学生一人ひとりにしっかり向き合い、見極めではなく理解を深めるためのコミュニケーションの実現が、選考へのスムーズな移行に寄与するといえます。

「自己PRの完成度」が82.0%と圧倒的な支持を得る結果となり、2位「ガクチカの完成度」45.2%、3位「複数社の選考が同時期に進むこと」38.8%と続く結果となりました。
自己PRやガクチカといった“選考で必ず問われる要素”に対する不安が突出しており、多くの学生が早期選考に挑む準備が不十分だと感じている状態で選考に臨んでいることがうかがえます。選考前の対策や相談できる機会を提供することで、学生の不安を払拭し、志望度向上に繋げられる可能性があります。学生の志望度醸成に難航している企業は一考の余地がありそうです。

現時点で志望業界はいくつあるか尋ねました。最も多く回答を集めたのは「2~3つ」63.9%という結果となりました。2位は「まだ決まっていない」31.3%となり、次に「4つ以上」3.1%、「1つ」1.7%と続く結果となりました。
既に1つの業界に絞っている学生は僅か1.7%しかおらず、多くの学生が複数業界で迷っていることがうかがえます。学生がどのような軸で就職活動をしているのかを見極め、業界理解やキャリアのイメージ形成をサポートすることが学生の志望度を高めるポイントになりそうです。

1位は「来年3月まで」が50.0%と半数を占める結果となりました。2位に「年内」20.7%が続き、僅差で「既に内定を保有している」19.7%という結果となりました。「年内」と回答した学生を含めると7割の学生が「来年3月まで」に内定獲得を目指して活動していることがわかります。
また、5人に1人が「既に内定を保有している」と回答していることからも、今後新たに接点をもつ学生はすでに複数社の選考を進めている可能性を念頭に置いて、選考スピードやフォローの質をあげていく必要があります。

「いつまでに就職活動を終えたいか」について尋ねました。「来年3月まで」が37.8%と最も多く回答を集め、2位「4年生の夏休みまで」33.6%、3位「4年生のGWまで」25.5%という結果となりました。
7割以上の学生が4年生の夏までに就職活動を終えることを目標に動いており、今後出会う学生については、接点を持ってから選考まで如何にスムーズに誘導できるかが、採用成功の大きなポイントとなります。

新入社員エッセイ<2025年4月入社>

阿部美洸<青山学院大学卒>

今月は、業務の進め方だけでなく、“働く環境を整えること” の大切さを強く実感した月でした。任せてもらう仕事が増えるにつれ、タスクの多さに気を取られ、頭が整理されないまま作業にかかることがあり、その結果、判断に迷ったり、作業の精度に影響が出てしまったりする場面もありました。そこで、まずは自分の環境を見直すことから始めました。デスク周りを整えたり、業務前にその日の優先順位をメモして可視化したりする習慣を取り入れたところ、気持ちが落ち着き、集中しやすい状態をつくれるようになりました。小さな工夫ですが、仕事のしやすさに直結すると実感できています。
また、今月は“伝え方”についても意識的に見つめ直しました。説明の順序や言葉選びで相手の受け取り方が大きく変わることに気づき、丁寧に確認しながら伝えることを心がけるようになりました。そうした工夫を続けることで、業務のやり取りが以前よりスムーズになったと感じています。
12月は忙しくなる時期ですが、環境を整えながら落ち着いて取り組む姿勢を大切にし、来年につながる良い動きをしていきたいと思います。

深谷泰生<成城大学卒>

気づけば今年もいよいよ締めくくりの月となりました。11月は「積み重ねを成果に結びつける」ことを意識し、提案や商談の質を高めることに挑戦した月でした。少しずつ感覚が掴めてきたことで、自分の中でも成長を実感できる場面が増えました。
12月は、その成長を“来年につながる形に整理すること”をテーマにしたいと考えています。今年一年で経験した成功・失敗・気づきを棚卸し、次のステップに活かす準備を進めたいです。同時に、任せていただける業務の幅も広がりつつあるため、責任を持って一つひとつに丁寧に取り組み、自信につながる実績を積んでいきたいと思っています。
「挑戦 → 振り返り → 改善 → 成果 → 準備」
このサイクルを意識しながら、今年の締めくくりとして、しっかりと前に進むための土台づくりをしていきたいです。
来年の自分がより大きく飛躍できるように、12月もしっかりと歩みを進めていきます。

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採用・就職支援 コラム編集部
採用・就職支援 コラム編集部
様々な新卒・中途採用ツールを運用し、企業様の母集団形成や選考進捗率の引き上げをお手伝いしています。その中でご担当者様から頂いたギモンなど採用担当者様のお悩みにお答えすべくコラムの執筆活動を進めています。実際に、様々なツールや採用ケースを見てきたからこその視点で少しでも採用ご担当者様のお役に立てるよう執筆をさせていただきます。

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