
SPIEGEL7月号|6月末時点の26年卒市場動向調査(企業・学生調査)
SPIEGELとは?
株式会社採用総研が毎月発行している、就活生と新卒採用実施企業に関する動向調査です。シュピーゲルはドイツ語で「鏡」という意味。採用コンサルティング会社として、就活生と企業、どちらにも接点を持っている当社だからこそ発信できる、「採用のリアル」をありのまま映し出す鏡のようにお届けします。
調査概要
内容 |
2026年卒就活生・新卒採用実施企業の動向調査 |
調査期間 |
2025年6月23日~2025年7月1日 |
調査対象 |
弊社アンケートモニター |
調査方法 |
WEBフォームによる回答 |
目次[非表示]
- 1.SPIEGELとは?
- 1.1.調査概要
- 2.学生動向
- 3.企業動向
- 3.1.地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(7月1日時点)
- 3.2.マイナビ全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(7月1日時点)
- 3.3.マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(7月1日時点)
- 3.4.マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(7月1日時点)
- 4.学生アンケート
- 5.新入社員エッセイ<2025年4月入社>
- 5.1.阿部美洸<青山学院大学卒>
- 5.2.深谷泰生<成城大学卒>
学生動向
説明会参加率
■対面での説明会参加率は伸びず
対面での説明会参加率は、前月から0.6ポイントの微増になりました。
前年同時期と比べ15.4ポイント減少していることから、時期にかかわらず、学生の対面参加意欲が下がっていることがわかります。
直接会って魅力を伝えたいと考える企業はまだまだ多いと思われますが、いかんせん学生の集まりが悪く、WEBが主流にならざるを得ない状況です。
説明会平均参加社数
■WEBでの説明会平均参加社数は2.2社増加
6月末時点でのWEBでの説明会平均参加社数は、前月と比較して2.2ポイント増加しましたが、前年同時期と比べると約2社ダウンしています。
対面での参加は微増に留まり、こちらも前年比で0.6社マイナスです。
対面については厳選しての参加となっています。
面接参加率
■面接は対面でも実施に
就活中の学生の面接参加は、対面、WEBともに100%になりました。
説明会段階では対面離れが顕著ですが、面接ではやはり一度は直接会う企業が多いことがわかります。
面接平均参加社数
■面接平均参加社数はトータルで減少
WEBでの面接平均参加社数は前月から1.3社増加しました。
これは、前年同時期の数字を0.1社上回る結果ですが、対面では前年同時期と比較して1.3社減少していることから、全体的に面接参加企業は減少しており、内定率の上昇を考えると、面接からの合格率がアップしていることになります。
平均内定率・社数
■平均内定率は83.7% 前月から2.4ポイント増加
6月末時点での平均内定率は、83.7%となり、前月と比較して2.4ポイント増加する結果になりました。
ただ、さすがに80%を超えて、伸びは大きく鈍化しました。
今後はあまり内定率は上昇しないと予想されます。
就職先決定率
■2人に1人が就職先を決定
6月末時点での就職先決定率は、50.3%となり、前月と比較して10.2ポイント増加する結果となりました。
2人に1人がすでに就職先を決定していることになりますが、一方で内定を持ちながら意思決定できていない学生も多く、内定辞退も心配される状況といえます。
企業動向
地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(7月1日時点)
マイナビ全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(7月1日時点)
■7月の説明会は1日550社平均
前年7月と比較して、マイナビ全国説明会告知社数は2.5%と微増しました。
月間17,101社となり、単純計算で毎日550社以上の説明会が開催されることになります。
まだまだ企業の採用意欲は旺盛です。
マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(7月1日時点)
マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(7月1日時点)
■掲載コース大幅増
マイナビ2027の7月のインターンシップ掲載企業は、14,476社になり、前年同時期より11.4%の増加ですが、コース数は25.9%の大幅増となっています。
27年卒採用についても早くも活発な各企業の動きが見てとれます。
学生アンケート
「面接・面談を通じて先輩社員の雰囲気や人柄に好意を感じた」と回答した人が82.6%と、2位の「選考を通じてより企業理解が深まった」43.5%に2倍近く差をつける結果となりました。企業の強みや業務内容はもちろんですが、「どんな人と共に働くか」を重要視する学生が多くいることがうかがえます。
昨今は個別面談や面接のフィードバックなどを取り入れる企業も増加しているため、先輩社員の雰囲気や人柄などの魅力を伝える施策を検討する余地がありそうです。
「7月中」までに終わらせたいと回答した学生が42.1%と最も高い値となりました。
一方で、前月までと比較して「8月中」が19.3ポイント増加の21.1%、「9月中」が4.3ポイント増加の4.3%、「年内には」が12.2ポイント増加の15.8%と大きく変化しています。
7月中の活動終了を目途に就職活動を継続している学生が多くを占めてはいますが、8月以降も就職活動の継続を視野に入れて活動する学生がいるため、まだまだ学生との接点創出の機会はあるといえます。
今から新たに企業探しをする場合「希望勤務地であること」を重要視する学生が最も多く56.5%となり、次点で「希望職種であること」が39.1%、「成長できる環境であること」が35.7%と続く結果となりました。
「成長できる環境であること」は「入社後のキャリアステップをきちんと提示する」「身につくスキルや技術を伝える」など学生が自己成長できるビジョンを想像しやすいように伝える必要がありそうです。
「マイナビ」が97.8%と前月に引き続き圧倒的な1位となり、2位に「リクナビ」30.4%、3位「ONECAREER」26.1%という結果となりました。
前月調査では支持を得られなかった「dodaキャンパス」8.7%や、「キミスカ」4.6%と、様々な媒体を利用して就職活動を継続していることがうかがえます。
スカウトを見た学生に特に印象に残った・興味を惹かれたフレーズについて尋ねました。
「あなたの〇〇(スキル/経験など)に魅力を感じました」が30.4%と最も多く、「○○限定特別選考フローへご案内」26.1%が続く結果となりました。
学生の自己PR文をしっかりと読んでオファーを送っていることが分かる内容や、選考に有利に働く内容は学生の印象に残ることが分かります。
最も多く回答を集めたのは「3つ」39.1%という結果となりました。
「2つ」以上の業界のインターンシップや説明会、選考に参加している学生が100%に近いことから、採用におけるライバル企業は同業他社だけではないことがわかります。
同時期に選考が行われる企業や、自社イベントに来た学生がどのような業界を視野に入れて就職活動をしているのかを把握し、自社の志望度が下がらないようなアプローチをすることが採用成功の鍵になることを念頭に置いておく必要があります。
第一志望となる業界を決定した時期について尋ねました。
最も多く回答を集めたのは「3月以降に決めた(2025年3月~)」43.5%という結果となりました。
一方で就活解禁日と呼ばれる3/1以前に業界を定めた学生が全体の49.1%を占めるなど、早期の段階で業界を絞って就職活動を行う学生も多いことから、企業側は早期の段階から学生との接点を持ち、第一志望業界として検討してもらうための施策を講じるべきです。
「ある」と回答した学生が26.1%という結果となりました。
回答した学生からは「自分にはあまり向いていないと思っていたが、志望していた職種と近い業務内容と分かり、挑戦できると感じた」「理系出身の人が活躍する業界のイメージだったが、文系出身の人でもきちんと勉強すればチャンスがあることが分かった」といった声が挙げられています。
「イメージだけで判断されてしまい本来の魅力が学生に届きにくい業界」であっても学生のイメージと現実の差異を埋めることで、学生の新たな選択肢になる可能性があると言えます。
「よく見ている」が30.4%、「たまに見る」が31.7%と6割以上の学生が就職活動中に企業が運用しているSNSアカウントを見ることが分かりました。
ナビサイトやホームページ、口コミ等に加えてSNSツールを利用した情報収集をしている学生は増加傾向にあり、自社の情報を訴求する手段としてSNSツールも検討の余地がありそうです。
SNSアカウントを見たタイミングについて尋ねました。
「選考中」が42.9%と1位となり、2位に「選考に参加する前」35.7%、3位「エントリーする前」15.2%という結果となりました。
選考中の対策や選考を受ける前の情報収集など、様々な段階で学生に活用されていることが分かります。
最も多く回答を集めたのは「社員の働き方」で73.9%となり、続いて「オフィスや福利厚生の紹介」が47.8%という結果となりました。
「どのような環境で」「どのように働いているかどうか」など、学生が働くイメージをしやすくなるような情報を求めていることが分かる一方で、3位には「内定者インタビュー」34.8%、続く4位には「若手社員の就活体験記」17.4%が来るなど、就職活動のヒントになるような情報を求めてSNSを活用する学生がいることがはっきりしました。
「ポジティブは印象を持つようになった」という回答が77.3%と圧倒的な支持率を得る結果となりました。
学生の志望度を向上させる施策としてSNSは検討の余地があることは間違いありませんが、
「ネガティブな印象を持つようになった」という回答も9.1%あることから、SNSで発信する情報もより精査したうえで学生に訴求していく必要がありそうです。
新入社員エッセイ<2025年4月入社>
阿部美洸<青山学院大学卒>
6月は、業務にも少しずつ慣れてきた中で、改めて自分の課題を認識する機会が多かった1か月でした。5月に比べて任される業務の幅が広がったことで、スケジュール管理や優先順位のつけ方など、より実践的な力が求められていると強く感じています。
特に、複数のタスクを同時に進める場面では、まだ自分の段取りの甘さを痛感することがありました。先輩達がどのように情報を整理し、効率的に動いているのか学びながら、少しでも近づけるように工夫を重ねています。相談や報告をこまめに行うことの大切さも、改めて意識するようになりました。
また、お客様とやり取りさせていただく機会も増え、社外の方とのコミュニケーションの難しさを感じました。言葉遣いや文章での伝え方など、まだまだ改善すべき点が多いと痛感する一方で、そうしたやり取りを通じて得られる学びの重要性を実感しています。
業務の幅が広がるにつれて責任も増し、正直なところ不安を感じる瞬間もあります。ただ、それ以上に「少しでも成長したい」という気持ちが大きく、うまくいかなかった時の悔しさをばねに挑戦し続けたいと思います。今後も先輩達の助言を大切にしながら、自分なりの仕事の進め方を確立できるよう努めてまいります。
深谷泰生<成城大学卒>
気がつけば、入社から3か月が経ちました。最近は朝から汗ばむ日も多く、季節が本格的な夏に移ってきたことを実感しています。
日々の業務に取り組む中で、「前はこれ、どうすればいいか分からなかったな」と思うことが少しずつ増えてきました。毎日のルーティンやメール対応、商談の準備など、以前は手探りだったことが、今では自然と手が動くようになってきています。一方で、「もっと上手くやらなきゃ」「ちゃんとできてるかな」と、できていない部分に目が向いて焦ってしまうこともあります。
そんなとき、ある先輩から「まずは“続けること”を大切にしてみて」と声をかけてもらいました。
– 毎日コツコツ続けること
– 分からないことを素直に聞くこと
– 反省しても、前向きに切り替えること
“完璧”よりも“継続”の積み重ねが、いずれ大きな自信になる。そう信じて、これからも一歩ずつ成長していきたいと思います。
暑さに負けず、7月も前向きに過ごしていきます!
採用総研のお問い合わせはこちら
その他、お役立ち資料もご用意しております