
SPIEGEL6月号|5月末時点の26年卒市場動向調査(企業・学生調査)
SPIEGELとは?
株式会社採用総研が毎月発行している、就活生と新卒採用実施企業に関する動向調査です。シュピーゲルはドイツ語で「鏡」という意味。採用コンサルティング会社として、就活生と企業、どちらにも接点を持っている当社だからこそ発信できる、「採用のリアル」をありのまま映し出す鏡のようにお届けします。
調査概要
内容 |
2026年卒就活生・新卒採用実施企業の動向調査 |
調査期間 |
2025年5月21日~2025年6月2日 |
調査対象 |
弊社アンケートモニター |
調査方法 |
WEBフォームによる回答 |
目次[非表示]
- 1.SPIEGELとは?
- 1.1.調査概要
- 2.学生動向
- 3.企業動向
- 3.1.地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(6月2日時点)
- 3.2.マイナビ全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(6月2日時点)
- 3.3.マイナビ 業種別 インターンシップ告知社数 2か年比較(6月2日時点)
- 3.4.マイナビ 掲載時期別企業数 2か年比較
- 3.5.マイナビ インターンシップ&キャリア掲載コース件数 2か年比較(6月2日時点)
- 3.6.マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(6月2日時点)
- 3.7.マイナビ 実施日数別コース掲載社数 2か年比較(6月2日時点)
- 3.8.リクナビ 実施日数別コース掲載件数(6月2日時点)
- 4.学生アンケート
- 5.新入社員エッセイ<2025年4月入社>
- 5.1.阿部美洸<青山学院大学卒>
- 5.2.深谷泰生<成城大学卒>
学生動向
説明会参加率
■説明会参加率は前月からほぼ変わらず
説明会参加率は前月と比較して、対面では+1.8ポイント、WEBでは+1.0ポイントと微増になりました。
今年度の特徴ですが、対面での参加が昨対比で大幅減となっています。
今後は、「まだ出会っていない層」の発掘と、「早期に離脱した層」への再アプローチが必要です。
説明会平均参加社数
■「対面」の説明会平均参加社数は1.8社増加
対面での説明会平均参加社数は、前月より1.8社増加しました。
参加率はあまり伸びていませんので、対面での説明会に参加したことがある学生は、複数の企業に足を運んでいることが分かります。
しかし、依然として「WEB」が「対面」の3倍以上の社数になっているのが現状です。
面接参加率
■対面の面接参加率は前月より12.0ポイント増加
後述しますように、内定獲得率が大幅に増加しており、内定までに一度は実施されることが多い対面での面接参加率も、ほぼ100%になりました。
面接平均参加社数
■面接社数は2.3社減少
WEBでの平均面接参加社数は前月と比較して1.2社増加し、対面は1社増加しました。WEBと対面の合計では、前年は14.7社、今年は12.4社となり、2.3社の減少となっています。
対面での社数は3.5社にとどまっており、面接を受けた後の合格率が高く、社数が伸びない状況が続いています。
平均内定率・社数
■5月末時点での内定率は80%越え
5月末時点での内定率は80%を超え、前年と比較して1か月ほど前倒しの数字となりました。
調査開始以来、5月中に内定率が80%を超えたことはなく、戦線の早期化が顕著となっています。
就職先決定率
■内定からの決定は約5割
5月末時点での就職先決定率は、前年同時期と比較して3.1ポイント増加し、意思決定は若干早期化しています。
しかし、内定者の中の決定者は49.3%(決定者÷内定者)にすぎず、前年同時期の51.2%を下回っています。
全体的に見ると、「早期内定=早期決定」ではないことが分かります。
今後は、内定後のフォローの手厚さが採用決定を大きく左右すると思われます。
企業動向
地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(6月2日時点)
マイナビ全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(6月2日時点)
■6月のWEB説明会告知企業社数は1,000件近く増加
マイナビにおける、6月2日時点の26卒向け説明会告知企業数は、前年6月からは546社増加しています。
今年5月と比較すると1,380社減っており、採用活動が徐々に減速していることは間違いないものの、WEBでの告知は前年より944社増加しており、まだまだ採用数が充足していない企業がオンライン説明会を活発に開催しようとしている様子がうかがえます。
マイナビ 業種別 インターンシップ告知社数 2か年比較(6月2日時点)
■6月2日時点のインターンシップ告知社数、約15%増加
マイナビ2027の6月2日時点のインターンシップ告知社数は全体で13,618社となり、前年から1,749社増加しました。
最も社数が多いのはメーカーで、全体の4割以上を占める結果となりました。
増加率が最も大きいのは流通・小売で、マイナビ2026から1.4倍に増加しました。
マイナビ 掲載時期別企業数 2か年比較
■マイナビ2027の6月初旬掲載企業数は13,000社越え
マイナビ2027の掲載企業数は、先行掲載の時期においては、4月初旬が約1.6倍、4月下旬が約1.3倍、5月中旬が約1.5倍という結果となっていましたが、6月初旬になり13,618社と、前年同時期から約1.8倍に増加しました。
採用活動を実質的に、前倒しする企業が大幅に増えています。
マイナビ インターンシップ&キャリア掲載コース件数 2か年比較(6月2日時点)
マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(6月2日時点)
■オープン・カンパニー実施企業は、前年同時期から1.6倍増加
マイナビ上に掲載されているインターンシップのコース件数は、マイナビ2026から1.3倍に増加しました。
掲載社数で比較すると、13,618社掲載されており、前年同時期から1,749社増加する結果となりました。特にオープン・カンパニーの掲載社数が大きく伸びており、マイナビ2026からは2,910社増加しています。
マイナビ 実施日数別コース掲載社数 2か年比較(6月2日時点)
リクナビ 実施日数別コース掲載件数(6月2日時点)
■主要ナビサイトにおけるコース数は、1日実施が最多の結果に
マイナビにおけるコース掲載社数のうち、「1日開催」は12,343社と最多で、前年からは1.2倍に増加しています。
リクナビにおいても、掲載されているコース件数のうち、「1日開催」は5,657件と、ほかの実施日数と大きく差をつけています。
マイナビもリクナビも「1日実施」が最多という結果から、人事担当者内で完結できるような取り組みでなければなかなか実施は難しいという事情が見てとれます。
学生アンケート
「6月中」までに終わらせたいと回答した学生が48.2%と、前月に引き続き、最も高い回答となりました。
次点の「7月中」が37.5%と前月より約20ポイント増加と大きく変化しています。7月中の活動終了を目処に就職活動を継続している学生が多くいることがうかがえます。
7月終了を見込んでいる学生については、まだ企業を開拓する気持ちは強いと思われ、企業としては6月中には接触したいところです。
「マイナビ」が88.5%と2位の「リクナビ」42.3%に2倍近く差をつける形で1位となっております。前月・前々月とナビサイトは時期に関係なく高い支持を得る結果となっています。
また、3月末に実施した調査では9.5%しかなかった「人材紹介」が、前月調査では「26.1%」、本調査では「18.5%」と後半戦にかけて利用する学生が増えているようです。
説明会参加から内定出しまでは「1ヶ月程度」が適切だと考える学生が53.8%と過半数を占める結果となりました。
「早ければ早いほど良い」「2週間程度」を含めると、8割以上の学生が1ヶ月以内の内定出しを望んでおり、学生のタイパ重視の傾向が強くなっていることがうかがえます。
一方で、「期間を気にしない」が15.4%いることから、学生に応じてフォロー面談など、しっかりと時間をかけて内定出しをしていくことも検討する必要があるといえます。
「人事担当者に不信感がある・親身でないと感じる」が73.1%と圧倒的な1位となり、2位に「面接官の対応に好感を持てなかった」47.0%が続く結果となりました。一緒に働くことになる社員の印象が学生の選考辞退に大きく影響を与えていることがわかります。
続いて「入社後の待遇について説明が不十分」「選考案内や合否結果など、連絡が遅い」「質問に対して、明確な答えがもらえなかった」が僅差で続く結果となりました。
学生の疑問を払拭できない対応や不安感を与えてしまう行為は選考辞退に繋がることがあるため、注意を払う必要があるといえます。
「GW期間中に取り組んだ就職活動」についてアンケートをとりました。
「選考を受けていない新たな企業の情報を調べた」が69.2%となり、「選考を受けた企業の情報を調べた」の30.8%を大きく上回る結果となりました。
GW期間中は新しい企業の選択肢を広げる活動が増える傾向にあるため、次年度以降の話になりますが、後半採用に向けてGW期間中に学生への露出を増やす施策を検討する余地がありそうです。
GW期間中に就職活動に関する相談を誰かにしたか尋ねたところ、53.8%の学生が「ある」と回答しました。
相談した内容として「自身にあった業界・企業について」「企業選びについて」「GW後の就職活動をするか否かについて」「内定をもらった企業に決めて良いか」などの声がありました。
上述した学生の不安や悩みを解消するためのアプローチを考えれば、学生の志望度醸成につなげることができそうです。
最も多かった回答が「新入社員との面談・座談会」61.5%という結果でした。同じ座談会でも「2~3年目の社員との面談・座談会」は38.9%、「人事担当者との面談・座談会」は26.9%、「経営層との面談・座談会」は11.5%と、「新入社員との面談・座談会」が高い支持率を示したことから、自分の働く姿をとりあえず想像できるような話を聞けることが重要視されているといえます。
内定獲得から、内定承諾までの期間で最適な企業との接触頻度についてアンケートをとりました。
「1~2ヶ月に1回」が46.2%と最も多く、僅差で「1ヶ月に1回」38.5%が続く結果となる一方で、「内定承諾までの接触は不要」と回答した学生は3.8%にすぎませんでした。
学生からの返答待ちではなく、学生へ定期的に連絡を取ることが求められていることを念頭に置いておく必要があります。
内定承諾後、内定者フォローを受けるまでの最適な期間を尋ねました。
「実施されることが分かっていればそこまで期間は気にしない」と回答した学生が最も多く39.2%という結果となりました。
内定者フォローを受けるまでの期間よりも、「内定者フォローを実施すること」を学生に伝える必要がありそうです。
内定獲得から、内定承諾までの期間と同様に「新入社員との面談・座談会」が53.8%と最も多い回答となりました。
一方で、2位に「内定者同士の交流」37.3%が続いており、「2~3年目の社員との面談・座談会」は承諾前より約15ポイント低い22.7%という結果となりました。
内定承諾後は先輩社員との縦のつながりはもちろんですが、同期との横のつながりを求めていることがうかがえます。
内定承諾後から入社までの期間で最適な企業との接触頻度について尋ねたところ、「1ヶ月に1回」が42.7%、続いて「1~2ヶ月に1回」が26.9%となっています。
内定承諾後であっても接触を希望する学生がほとんどのため、承諾後も定期的に接点を持つことが求められます。
「人事担当者との面談・座談会」が53.8%と最も多い回答となりました。
続いて「2~3年目の社員との面談・座談会」が2位で45.8%、「新入社員との面談・座談会」が3位で38.1%となりました。
面談・座談会形式をフォローを実施する企業が多いことがうかがえます。昨今「内定承諾後の辞退」が増えてきている中で、面談・座談会等の施策を実施できていない企業に関しては別途フォローコンテンツを考える必要がありそうです。
入社前に受けてみたい研修として「ビジネスマナー」が61.5%で1位となりました。
続いて「業務に必要な専門的なスキルについて」が43.5%、「入社予定企業の社風・文化など企業理解について」が23.5%という結果となりました。
チャット形式の連絡ツールやWEB上でのコミュニケーション機会がデフォルト化してきたからこそ、基本的なメール文章の作成や対面での名刺交換に不安を感じる学生も一定数いるため、研修を通じて社会人としてやっていくための基礎知識を伝えることは、検討の余地があります。
「ある」と回答した学生が13.3%という結果となりました。
回答した学生からは「他の企業に魅力を感じた」「やりたい業務内容が確約されていなかった」といった声が挙げられています。
内定承諾後であってもより良い条件を求めて就職活動を継続する学生が一定数存在しているため、辞退防止のために自社の魅力を訴求し続ける必要がありそうです。
新入社員エッセイ<2025年4月入社>
阿部美洸<青山学院大学卒>
5月はゴールデンウイークが明け、心身ともにリフレッシュした状態で業務に向き合うことができた1か月でした。新年度が始まって2か月が経ち、少しずつ会社の雰囲気にも慣れてきたことで、気持ちに余裕を持ちながら日々を過ごせるようになってきたと感じています。
これまでの研修期間から一歩進み、実際の業務に携わる時間が増えてきたことで、自ら考え、判断しながら行動する場面が多くなりました。最初は戸惑いや不安もありましたが、先輩方に相談しながら一つひとつの業務に取り組む中で、実践を通じた学びの大切さを実感しています。
先輩達が日々多くの業務をこなしながら、複数の案件に的確かつ迅速に対応している姿には、感嘆するばかりです。
最近では、任せてもらえる仕事の内容も少しずつ増え、自分に期待してもらえていることを嬉しく感じています。責任を持って仕事を進めることの大変さとやりがいの両方を感じながら、今後も着実に成長できるよう努力を重ねていきたいと思います。
深谷泰生<成城大学卒>
社会人生活も早いもので、もう二か月がたちました。できることが増えていく一方で、できないことの多さを実感し、また、できることの「質」を求めていかなければならない毎日の繰り返しです。
私事ではございますが、先月の一か月間で多くの企業様とお話しする機会がございました。そこで感じたのは、「買い手」としての視点を持つことの重要性でした。つまり、単に自社の目線で物事を考えるのではなく、お客様やお取引先の立場に立って物事を見つめる力の必要性です。
相手が何を求めているのか、どこに課題を感じているのか。それを的確に捉え、寄り添いながら提案・行動していくことが、信頼を築くうえで不可欠なのだと改めて感じました。
「虫の目、鳥の目、魚の目」という言葉があるように、物事をあらゆる視点から見られるビジネスマンを目指します。
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