
SPIEGEL8月号|7月末時点の26・27年卒市場動向調査(企業・学生調査)
SPIEGELとは?
株式会社採用総研が毎月発行している、就活生と新卒採用実施企業に関する動向調査です。シュピーゲルはドイツ語で「鏡」という意味。採用コンサルティング会社として、就活生と企業、どちらにも接点を持っている当社だからこそ発信できる、「採用のリアル」をありのまま映し出す鏡のようにお届けします。
調査概要
内容 |
2026年卒就活生・新卒採用実施企業の動向調査 |
調査期間 |
2025年7月18日~2025年7月28日 |
調査対象 |
弊社アンケートモニター |
調査方法 |
WEBフォームによる回答 |
目次[非表示]
- 1.SPIEGELとは?
- 1.1.調査概要
- 2.学生動向
- 3.企業動向
- 3.1.地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(8月1日時点)
- 3.2.マイナビ 全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(8月1日時点)
- 3.3.マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(8月1日時点)
- 3.4.マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(8月1日時点)
- 4.学生アンケート
- 5.新入社員エッセイ<2025年4月入社>
- 5.1.阿部美洸<青山学院大学卒>
- 5.2.深谷泰生<成城大学卒>
学生動向
説明会参加率
■対面での説明会参加率微増
対面での説明会参加率は、前月と比較して2.0ポイントの微増となりました。
3月末から調査を継続してきましたが、4月末からみるとわずか4.4ポイントの増加にとどまりました。
対して、WEBは調査開始時期から高水準で推移しており、27卒でも「WEB説明会」が初回接触の主流になりそうです。
説明会平均参加社数
■対面での説明会平均参加社数は1.1社増加
対面での説明会平均参加社数は、前月と比較して1.1社増加しました。
また、WEBでは平均参加社数は22.0社となり、前年6月末の数字にほぼ追いつく結果になりました。
対面とWEBのトータルで見ても、前年の1か月遅れの説明会参加ペースとなっており、選考や内定獲得とは反比例しています。
面接参加率
■27卒ではさらなる加速が
26卒の調査では、前年よりも早い段階で対面とWEBの説明会参加率が100%に達しました。「採用市場の早期化」が顕著にみてとれます。
27卒についても、現在のところ各社の意欲に陰りは見えず、さらなる早期化が予想されます。
面接平均参加社数
■対面での平均参加社数は1.3社増加
面接平均参加社数は、前月と比較して対面で1.3社、WEBで0.8社増加しました。
意思決定が進む中、まだ決めきれずに選考を受けてる学生が一定数いることが分かります。
平均内定率・社数
■平均内定社数は前月と変わらず
内定率は85%に達しましたが、7月末時点での平均内定社数は、前月と変わらず2.1社となりました。
調査開始時期と比較して0.7社しか増加していませんので、前年と比較して学生はより企業を厳選しての就職活動をしていることがわかります。
就職先決定率
■就職先決定率は前月と比較して5.4ポイント増加
就職先決定率は前月と比較して5.4ポイント増加する結果となりました。
半数以上が就職先を決定している状況ではありますが、反対に約4割の学生は活動を継続していることが分かります。
今後は、就職先未決定の層へのアプローチをしていく必要があります。
企業動向
地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(8月1日時点)
マイナビ 全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(8月1日時点)
■WEB説明会告知企業数は、前年比717社増加
対面での説明会は、前年同時期に比べ4.7%減少しましたが、WEB開催の告知社数は前年から5.8%増加しており、結果として全体では1.8%増加となっています。
なかなか学生が集まりにくい時期となり、企業側としても手軽に開催しやすいWEBを選択するケースが多くなっています。
開催数の増加から、採用が充足していない企業が昨年より多いことがわかります。
マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(8月1日時点)
マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(8月1日時点)
■掲載コース数は、前年同時期から6,519件増加
マイナビ2027における全掲載コース数は、前年同時期から6,519件増加しており、コース掲載社数は841件増加しました。中でもオープン・カンパニーが大きく増加しており、マイナビ2027では8,866件と、約37%増加しています。
以前の「1dayインターンシップ」の流れから、現在の「仕事体験」を実施する企業が多い状況ですが、「オープン・カンパニー」という形式も徐々に浸透してきたものと考えられます。
学生アンケート
「8月中」までに終わらせたいと回答した学生が46.7%と最も高い値となりました。また、「9月中」と回答した学生が26.7%と続き、一般的な夏季休暇期間が8~9月であることからも、夏季休暇が終わるまでに就職活動を終わらせたいと考える学生が7割以上いることになります。
26年卒採用を継続する企業は早め早めに学生との接点を創出することが後半採用の鍵になります。
「マイナビ」が91.1%と圧倒的な支持率を誇る1位となり、次点で「リクナビ」35.6%、「人材紹介(エージェント)」24.4%、「ONECAREER」20.0%、「OfferBox」15.6%と続く結果となりました。
「マイナビ」「リクナビ」は前月同様の順位となった一方で、3位以下の就活サービスについては前月・前々月の結果から変動が見られることから、ナビサイト以外の就職サービスについては時期によって利用状況にばらつきがあることがうかがえます。
就職活動をする上で、キャリアプランはどの程度重要視しているかについて尋ねました。「非常に重要視している」が48.0%と最も多く、「ある程度重要視している」が43.3%と続く結果となり、重要視している学生が9割を占めることから、入社後のキャリアプランがイメージできるか否かが学生が企業を選ぶ上での判断材料になっていることが分かります。
最も多く回答を集めたのは「ワークライフバランスを保てる働き方ができるか」56.6%という結果となりました。2位に「入社1~3年目の成長ステップについて」43.5%が続き、3位に「転勤がなく、腰を据えて働くことができるか」26.1%という結果となりました。
業務内容はもちろんですが、学生が「働きながら生活するイメージができる」「自身のキャリアプランを計画できる」ための情報を伝える必要があります。
「ある」と回答した学生が95.5%という結果となりました。
ほとんどの学生がインターンシップやオープンカンパニー、説明会に参加後に次回イベントに進まなかった経験があり、ある程度仕方がないこととはいえ、1人でも多く選考に進んでもらうよう、工夫をする必要はあります。
「社風や仕事内容など“自分に合わない” と感じた」90.5%が最も多くの回答を集める結果となりました。2位が「待遇や勤務地などの条件面が合わなかった」52.4%となり、3位に「インターンシップや説明会での対応に好感をもてなかった」33.3%と続きました。1位と2位の理由に関しては学生の就活軸に起因するためどうしようもない項目ですが、「インターンシップや説明会での対応に好感をもてなかった」に関しては、「不愛想な対応をせず好印象を持ってもらえるような対応を心掛ける」「学生への連絡を早くする」「学生からの質問に正確に答える」など対策が考えられるため、企業として好感を持ってもらえるような対応を心掛ける必要があります。
説明会から内定出しまでの期間で、人事や社員との面談に参加した経験があるかについて尋ねたところ、72.0%の学生が「ある」と回答する結果となりました。
選考中に面談を実施する企業が増えていることがうかがえ、昨今「選考中の離脱・辞退」を採用課題として挙げる企業が増加している状況を鑑みると、学生繋ぎ止めの施策として積極的に検討する必要がありそうです。
「企業理解をより深めたかった」と回答した学生が55.6%、「選考フローに入っていたから」が38.9%、「選考にプラスになると思ったから」が33.3%という結果となりました。
企業のことを理解したいと考える学生が多くいる一方で、選考に有利に働くと考えて参加をする学生も一定数います。学生の選考進捗率を向上させる手段としての意味合いに加えて、入社後のミスマッチを減らす効果もあり、今後も実施企業は増加しそうです。
どのような面談であれば参加したいと思うか尋ねたところ、「内定後の働き方や配属後のイメージが持てる面談」60.0%、「社員のリアルな話(1日のスケジュールなど)が聞ける面談」44.0%、「選考に直結しないカジュアルな雰囲気の面談」41.7%という結果となりました。
自身が働くイメージができる内容はもちろんですが、選考結果に関わらないカジュアルな雰囲気の面談であれば、比較的学生の参加ハードルが低いことがうかがえます。
1位が「1ヶ月以内」60.3%で圧倒的な支持を得る結果となりました。
一方で、「1~2週間以内」が8.0%、「3週間以内」が4.0%と学生の支持が低いことから、内定出しから承諾までの期間が短すぎると、学生にとっては内定承諾の判断が難しく、1ヶ月以上はほしいと考えている学生が8割以上となっています。
承諾期限を延長してもらったことがあるかについて尋ねました。
「ある」と回答した学生が47.1%と、半数近くの学生が承諾期限の延長をしてもらったことがあることが分かります。承諾期限を設けても、学生の返答が先延ばしになることも念頭に置いて採用計画を立てる必要があります。
内定先の企業について、親御さんに伝えたか伝える予定があるかについて尋ねたところ、「自分から伝えた/伝える予定」と回答した学生が88.3%という結果となりました。
昨今「オヤカク」という言葉があるように、親御さんも学生の就職先企業の情報について触れるため、学生だけでなくその保護者の方へも、しっかりと企業の魅力が伝わるような施策を検討する余地がありそうです。
内定承諾する際の意思決定で少しでも影響を受けた人について尋ねたところ、「両親」が最も多く42.9%の支持を集める結果となりました。
前述の調査内容より、親御さんに内定先の企業について伝えている学生がほとんどであったことから、学生以外に向けた自社の魅力発信も今後の新卒採用においては重要視される可能性があると考えられます。
新入社員エッセイ<2025年4月入社>
阿部美洸<青山学院大学卒>
入社から4か月が経ち、業務にも徐々に慣れてきた中で、最近は「自分のための仕事」から「チームの一員としての仕事」へと意識が変わってきたように感じています。今月は、これまで以上に周囲の動きに目を向ける余裕が生まれ、業務の合間に「何か手伝えることはありますか」と声をかける機会も増えました。まだ自分のことで手一杯になることもありますが、それでも誰かの力になれたときの喜びが日々の励みになっています。
一方で、業務の流れを覚えたことで生まれる“慣れ”が、油断につながりかねないということにも気づきました。特に確認を怠ってしまい先輩に指摘を受けたときは、自分の甘さを痛感しました。単に間違いを避けること以上に、「気を抜かず丁寧に取り組む姿勢」を続けることが、信頼を得るために大切なのだと改めて学びました。
また、先輩達が担当している仕事の一部を任せてもらう機会も増えてきました。入社当初は「すごいなあ」とただ感心するだけだった仕事も、少しずつ自分が関われるようになったことで、その“すごさ”がよりリアルに、重みを持って感じられるようになりました。
暑さの厳しい季節ではありますが、少しずつでも確かな成長を感じられる毎日が、自分にとって大きなモチベーションとなっています。これからも目の前の仕事に真摯に向き合い、「任せてよかった」と思ってもらえる存在を目指して、引き続き努力してまいります。
深谷泰生<成城大学卒>
気がつけば、もう8月。入社から4か月が経ち、社内の雰囲気や日々の業務にも少しずつ慣れてきました。
この1か月も、日々のルーティンに加えて「初めて」取り組む仕事がいくつかありました。新しい業務や初めての商談準備、先輩に代わって資料をまとめる機会など、正直に言えば緊張する場面も多かったです。でも、その「初めて」の経験を通して、自分なりに考えたり、分からないことを調べたり、先輩達に頼ったりする中で、少しだけ成長できた気がします。
7月は「続けること」を意識してきましたが、8月は「一歩踏み出すこと」を意識してみたいと思います。
– 分からないからやらない、ではなく
– 分からないからこそ、やってみる
そんな風に気持ちを切り替えて、「初めて」を楽しめる8月にしていきたいです。
まだまだ暑い日が続きますが、体調に気をつけて、今月も前向きに取り組んでいきます!
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