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今まで通りでうまくいかなくなった…説明会を『見直す』大切な視点とは?

採用市場のオンライン化・劇的な早期化に伴い、採用難度が非常に上がっているとお感じのご担当者様は多いのではないでしょうか?特にコロナ以降、「説明会からの進捗が悪くなった…」というご相談をいただきます。

ふと、オンラインの難しさか…と私もコロナ初期は考えておりましたが、オンライン市場となり早3年…どうやらオンライン説明会の影響ではないのではないか…?と考えるようになりました。

では、今までの説明会がなぜ今の学生にはまっていないのか?また説明会を設計する上で大切なことは何なのかについてお話させいただこうと思いますので、少しでも参考にしていただければと思います。

  ポストコロナ!新卒採用で変わった4つのポイントと母集団形成 ①    母集団の量・質が変化している ②    選考参加学生の量・質が変化している ③    学生にプッシュするポイントがわからない   という3つをテーマとして、採用において変化した4つのポイントについてお話します。 株式会社採用総研


目次[非表示]

  1. 1.基本的な説明会の構成と時間
    1. 1.1.対面説明会のメリット〈企業視点〉
    2. 1.2.対面説明会のデメリット〈企業視点〉
    3. 1.3.オンライン説明会のメリット〈企業視点〉
    4. 1.4.オンライン説明会のデメリット〈企業視点〉
    5. 1.5.録画型説明会のメリット〈企業視点〉
    6. 1.6.録画型説明会のデメリット〈企業視点〉
    7. 1.7.なぜうまくいかなくなった?
  2. 2.学生視点での説明会を考える〈学生ファーストという考え方〉
    1. 2.1.そもそも、学生ファーストという考え方はあり?なし?
    2. 2.2.対面説明会のメリット・デメリット〈学生視点〉
    3. 2.3.オンライン説明会のメリット・デメリット
    4. 2.4.録画型説明会のメリット・デメリット
    5. 2.5.鍵を握る?タイパ
  3. 3.まとめ


基本的な説明会の構成と時間

説明会を『見直す』前に、昨今の採用市場では、
どのような形式で説明会を実施することが好ましいのでしょうか?

まず、対面・オンライン・録画型それぞれのメリットとデメリットを考えてみます。
(既にさんざん考えてきたよ!という方は読み飛ばしていただいても問題ありません。)

対面説明会のメリット〈企業視点〉

学生を惹つけるなら、対面が一番!そうお考えの担当者様も多いのではないでしょうか?
私もまったくもってその通りだと思います。

対面説明会のメリットとしては、学生と直に顔を合わせて学生のリアクションを見ながら説明会を進められるので、学生とコミュニケ―ションを進められることが学生を惹きつけるこれが何よりも一番のメリットですよね。

対面説明会のデメリット〈企業視点〉

一方で、近年の採用市場のオンライン化が進む中で学生が集まりにくい…!
選考への進捗率が上げやすいこととは裏腹にそもそも母数が作りにくくなっていることが対面説明会のデメリットともいえるかもしれません。

オンライン説明会のメリット〈企業視点〉

対するオンライン説明会では、学生からの予約が入りやすい。
これが一番のメリットと言えるかもしれません。
ですが、実際、ご担当者様の多忙な業務の中では会場のセッティングをしなくて済むことや開催への気軽さというのもメリットとして挙げられるかもしれません。

オンライン説明会のデメリット〈企業視点〉

ですが、当日の無断欠席や説明会後の進捗としてはやはり対面に劣るものがあり、オンライン説明会を準備していたのに、定刻になり蓋を開けてみると参加者が0…
なんてことも経験された担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、ご利用のツール次第では説明会中に画面共有をすると参加者の顔が見れず、温度感がわからなかったり、せっかくオンライン説明会に参加者を募れたものの、その後の選考に進んでくれる学生が極端に少なくなったという事例もあります。

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録画型説明会のメリット〈企業視点〉

最後に、録画型説明会はどうでしょうか…?
メリットとしてはやはり学生がいつでも視聴できるため予約数が大幅に上がることでしょうか?
また、説明会の予約に対するURL送付を自動化していると、説明会視聴までの工数がかからないこともメリットとして挙げられるかもしれませんね。

録画型説明会のデメリット〈企業視点〉

しかし、何といっても「本当に学生が視聴したのか?」ここが気になるネックポイントかもしれません。
視聴ログといって誰がどれくらいの時間を視聴していたのかデータが取れるツールもありますが、なかなかそこまで手が届かない…そんな企業様が多いというのが現実だと思います。

さらに、視聴の有無に問わず選考の案内をしようものなら全く貴社に興味のない学生が選考に上がってくることになり、かえって無駄な労力をかけてしまっているそんなお話も聞いたことがあります。

なぜうまくいかなくなった?

以上、簡単にメリット・デメリットを挙げてみたものの、なかなかどれがいいとは判断しにくいですよね…各企業様の採用スタンスによっては対面のみだったり、オンラインのみだったりと色々な選択があると思います。

今までは現行の説明会を少しずつマイナーチェンジさせていくことでうまく採用できていたのに、なぜうまくいかなくなった…?

そんな風に説明会形式の利点を考え続けて、自社の説明会実施形式や内容ばかりに目が向いてしまっていませんか?改めて、この記事では学生視点からの説明会の利点を考えてみたいと思います。
そして、ここに今回お伝えしたいことのヒントがあると考えています。




学生視点での説明会を考える〈学生ファーストという考え方〉

そもそも、企業の採用活動に学生からの視点は考える必要があるのか?というお声も聞こえてきそうですね…ですが、ここは声を大にして伝えさせていただきます。今の採用市場では、学生視点で貴社の採用を見ることが重要だと考えています。

といっても、企業様が学生に対して下から様子をうかがう、学生を持ち上げるという意味ではありません。現在の採用を見直す中で、学生視点に立つことの重要性についてお話させていただければと思います。

そもそも、学生ファーストという考え方はあり?なし?

とはいっても、なかなか学生視点で考える学生ファーストという視点に対して納得がいかないと言われることもしばしばなので、少し説明をさせていただきます。近年の学生の傾向として、エントリー時点で「入社したい」と考えている学生は11.4%というデータも出ており、「え?エントリーするってことはうちに興味があるんじゃないの?」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
実際に、マイナビより公表されている企業向け調査データとしては、

内定者1名<1次面接参加:7.5名<説明会参加:17.8名<エントリー数:68.2名

マイナビ 2023年卒 企業新卒内定状況調査

企業が1名内定出しするにあたって68名のエントリーが相場となっており、
・エントリーから説明会参加率:26.1%
と、エントリー時点での学生の志望度がさほど高くない事がわかります。

では、学生の志望度はいつ上がるのか??というと、選考段階で志望度が上がりやすいというデータが非常に多いです。「志望度の高くない人は選考に進まなくていい!」そんな風に考えるには少し難しい時代になっているかもしれませんね…

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だとすると、成功のカギはやはり「学生の志望度をどう上げるのか?」ということになります。
では、学生の志望度ってどうしたら上がるんだろう…?と思いませんでしたか?または、今までにそう考えたのではないでしょうか…?

…お気づきでしょうか。成功を考えるために自然と既に『学生にとって何が良いのか?』という視点で考えてはいませんか?これが今回お伝えしたい学生ファーストという視点です。なので、結論としては学生ファーストという考え方はありと私は考えています。


では学生の視点に立ってみると、それぞれの説明会はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?


対面説明会のメリット・デメリット〈学生視点〉


学生から見た対面説明会の一番のメリットは、「会社の雰囲気がわかりやすいから」というのが1番大きいのではないでしょうか?他にも、担当者様と話すことで選考へのアピールになると考えている学生も一定数いることと思います。オンライン市場だからとは言え、対面説明会のニーズが無くならないのは、やはり学生にも足を運ぶメリットがあるからこそだと思います。

一方で、タイパ・コスパの重要性が高まっている社会の中では対面で時間をかけて会社に足を運ぶことで1日で見れる(話を聞ける)企業数が減る事は学生にとってのデメリットと言えます。
いくつかの社数の話を聞くとしても、何日かに分けて3社よりもオンラインで1日に3社参加できる方が1社に対する質はさておき効率的に思えてしまうのもうなづけるのではないでしょうか?


オンライン説明会のメリット・デメリット


一方、オンライン説明会では交通費がかからないことや遠い場所の説明会に参加できることがやはりメリットと言えるでしょう。しかし、一番のメリットは『参加のしやすさ』だと思います。
気になる会社の説明を簡単に聞けるので学生としては、志望度が高くなくても「ちょっと参加してみようかな?」と参加しやすい。そこでいいなと思えば選考に参加できる手軽さが学生としての1番のうまみでしょう。一方で学生からは会社の詳細な情報が得にくいという声がある事も学生にとってのデメリットです。学生は会社の事がわからず興味を持たなければ選考に進まなければいいというだけなので、厳密に言うと企業様にとってのデメリットと言えるかもしれませんが…



録画型説明会のメリット・デメリット


最後に、録画型説明会はいかがでしょうか?オンライン説明会よりも開催時間の指定が無い分参加しやすいということ、また、寝る前に視聴するなど、就活というよりは情報収集として活用できることが一番のメリットだと思います。また、スーツを着なくていいことやご飯を食べながらでも見れることが録画型説明会を利用する理由ですという学生の話もあります。学生にとってのデメリットは特筆してないでしょう。というのも先述しましたが、学生にとって興味がわかない・わかりづらいという事はデメリットと感じるのではなく、先に進まなければいいだけになってしまうのでデメリットと感じる以前の問題のように思えます。


今まで売り手市場とはいえ、「企業が学生を選ぶ」という考え方が強かったのではないでしょうか?一方で現在は、「学生のニーズに合った」説明会を開催しなくてはいけないという感覚の企業様も多いかもしれません。ですが、文頭にお伝えしたように必要以上に『企業様が学生に対して下から様子をうかがう、学生を持ち上げる』ということではなく、学生が参加してみたいと思う説明会とはどういったものなのか?志望度が上がりやすい環境とは何なのか?を考えることが説明会を見直すための1つのポイントとなります。


そうして考えたとき、近年の若者の傾向を考えると「所要時間」という点が企業と学生のギャップになっているように私は感じています。


鍵を握る?タイパ


『貴社の説明会は学生にとって、タイムパフォーマンスの高いものになっていますか?』

このように問いかけると少々失礼な気がしますが、あえてお伺いしたいと思います。


学生視点で考えましょうとお話をしてきましたが、改めて、参加ハードルの低いものになっているか?学生をもてなす環境ができているか?ということが重要ではありません。


企業が時間を割いて実施している説明会であることは間違いありません。では、学業・アルバイト・プライベートという生活の中で学生にとってその説明会は時間を割く価値のあるものとなっているでしょうか?


これからの採用を考える中で今までと少し違った切り口で見てみてはいかがでしょうか。


この2~3年は学生との接点を増やすことが大切と言われていますが、対面説明会に足を運んでくれた学生には、即日選考を実施したり、当日に人事座談会(実際には選考を兼ねている)を実施することで人事面接のフェーズをカットして上げるように見せたり、接点を増やしつつもどこか学生には、直接足を運ぶことで恩恵を得られるような短縮した採用フローを提示してみることが1つの例といえます。


また、オンライン説明会が対面説明会と同じ内容・同じ所要時間で実施してしまってはいませんか?どうしても、オンライン説明会は参加ハードルの低いものとなってしまいます。
ですので、対面と同じボリューム同じ温度感で実施をしてもやはり学生に伝わりにくいというギャップが生まれてしまうため、対面説明会よりも簡潔に要点をまとめて、少し短い時間で行うことが好ましいです。また、対面とは異なり、採用フローを一段階多くすることも1つの対策になりうると思います。


最後に、録画型説明会では学生の要望が大量に詰まっています。SNS世代に向けたコンテンツとして非常に時代にマッチしているといえますが、近年では早送りのできる動画コンテンツは2倍送りで見るという方も増えているようです。ですので、長すぎるコンテンツでは学生に本当に伝えたいことが伝わらない可能性が高いです。


だったら、どうするのか。


まずは『何を最も伝えたいのか?』に特化した1本の動画、視聴者限定コンテンツとして社員インタビューなどの会社のことがよりわかるコンテンツを小分けにすることも視聴ハードルを下げつつ、少しずつ志望度を上げる対策になりうるかもしれません。


もちろん、企業様のタイパをないがしろにしましょうという話ではありません。

学生の時間的負担に見合った工数をかけてみるのはいかがでしょうか?


学生の時間的負荷の大きい対面説明会では、当日に選考をする、筆記試験を実施する、先輩座談会を実施するなど、時間をかけてでも選考に進みやすいプログラムを組んであげる。

一方で、比較的に時間負荷が小さいオンライン説明会では、全員に響く内容を伝えるのではなく貴社が本当に伝えたいことを特に念入りに伝えてメッセージ性の強い説明会として、そこから興味を持ってくれた学生だけを選考に進める。ある種、ターゲット外学生を振り落とす立ち位置で思い切って実施する。また、録画型説明会ではよりコンパクトに、かつ、対面説明会への参加を促すステップにするなど。


お互いの視点で時間的負荷に見合った恩恵は何か?見直してみてはいかがでしょうか。



まとめ

こういった記事を書かせていただきながら「何が言いたかったんだよ」と怒られてしまうかもしれませんが、全企業様に当てはまる説明会成功のためのポイントは正直ありません。

言い切れるのであれば、『対面・オンライン・録画型の説明会をすべて開催して、説明会には先輩社員を必ず同席の元、同日に先輩座談会の開催。なおかつ、学生にはすべて個別対応をしつつ、対面・オンラインの学生の参加形式は問わずに内定出しまでは一カ月以内、さらに、選考フェーズに先輩座談会を追加で2回ほど入れていただく。おまけに内定者フォローも1ヵ月~2カ月に1回すること』です。

こうすれば、1名の説明会予約から採用に結び付ける事も可能かもしれません。ですが、あまり現実的ではないですよね…?

企業様によっては、
・オンラインの導入ができないこと
・他業務をこなしながら1人で採用を回しているためマンパワーが足りていないこと
・社内の協力がなかなか得られないこと
など『百社百様』、様々な課題があることと思います。

ですので、今回は説明会を『見直す』視点についてご紹介をさせていただきました。ご担当者様自身が普段ご実施されている説明会を一度、学生視点で説明会を聞く、もしくは見てみるのもいいかもしれません。貴社が求める学生を採用していただくために、『学生の視点になって説明会を見直す』ことが大切であることを改めてお伝えさせていただきます。

とはいえ、すでに今までそういう風に考え改善に取り組んできたが、どうしても課題がわからない!または、効果が見られない…!具体的にどう改善すればよいのかわからない…!そんなご担当者様は、ぜひ一度ご相談ください!貴社に合った実現可能な具体策をご提示させていただきます!

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営業企画部 坂口
営業企画部 坂口
2019年入社、営業企画部として某大手グループや中小企業など企業規模に関わらず、幅広い企業様の採用コンサルティングを実施。 特に、採用スキーム作成や採用スタートアップ支援に長けており、採用フローの作成や志望度醸成のための仕組みづくりが得意分野。 「今まで通りの採用傾向」よりも「これからの採用市場」を。 なおかつ、「カタチ」ではなく「考え方」の提供を心掛けて日々奮闘中。

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