
SPIEGEL11月号|10月末時点の26・27年卒市場動向調査(企業・学生調査)
SPIEGELとは?
株式会社採用総研が毎月発行している、就活生と新卒採用実施企業に関する動向調査です。シュピーゲルはドイツ語で「鏡」という意味。採用コンサルティング会社として、就活生と企業、どちらにも接点を持っている当社だからこそ発信できる、「採用のリアル」をありのまま映し出す鏡のようにお届けします。
調査概要
内容 | 2027年卒就活生・新卒採用実施企業の動向調査 |
調査期間 | 2025年10月27日~2025年11月2日 |
調査対象 | 弊社アンケートモニター |
調査方法 | WEBフォームによる回答 |
目次[非表示]
- 1.SPIEGELとは?
- 1.1.調査概要
- 2.学生動向
- 3.企業動向
- 3.1.<26卒データ>地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(11月4日時点)
- 3.2.<26卒データ>マイナビ 全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(11月4日時点)
- 3.3.<27卒データ>マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(11月4日時点)
- 3.4.<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(11月4日時点)
- 3.5.<27卒データ>マイナビ 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(11月4日時点)
- 3.6.<27卒データ>マイナビ 会員登録者数 2か年比較(11月4日時点)
- 4.学生アンケート(27卒)
- 5.新入社員エッセイ<2025年4月入社>
- 5.1.阿部美洸<青山学院大学卒>
- 5.2.深谷泰生<成城大学卒>
学生動向
インターンシップ平均エントリー社数・エントリー率
■エントリー率は9割越え
学生のエントリー率は、10月末時点で遂に9割を突破しました。
夏のエントリーに加えて秋冬の企業イベント参加に向けたエントリーを開始する時期になり、
エントリーをしたことのない学生は10人に1人という状況です。
今後は、参加した企業から選考に進む企業を取捨選択していくことになります。
インターンシップ平均参加率
■対面参加も約8割
対面での参加率は、78.4%(前月比4.7ポイント増)となり、約8割の学生が対面での参加をしています。
WEBでの参加の方が伸びていますが、学生は「情報収集」と「興味のある企業との接点」をバランスよく確保するために、WEBで情報収集しつつ、重要なタイミングではリアリティを求め対面で参加することもいとわないことがわかります。
インターンシップ平均参加社数
■学生、「絞りこみ」段階へ
対面、WEBともに、平均参加社数は前月比0.4社増にとどまりました。
学生は、9月までの「情報収集フェーズ」を越え、本格的に「志望企業を絞り込む」段階に移行していることがうかがえます。すでに学生と接点をもっている企業は、個別面談などの志望度醸成施策を講じる必要があります。
早期選考平均参加社数・参加率
■2人に1人が選考参加
10月末時点での選考参加率は49.8%(前月比20.1ポイント増)となり、約2人に1人が選考に参加している結果になりました。
夏にインターンシップ等に参加して企業を選定し、実際に選考に進んでいる学生が多いことが分かります。今後はインターンシップ等からスピード重視の採用施策を講じる必要がありそうです。
企業動向
<26卒データ>地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(11月4日時点)
<26卒データ>マイナビ 全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(11月4日時点)
■11月の説明会は1万1千社越え
マイナビ2026における説明会全告知企業数は、11,706社となり前年同月比+3.8で依然として高水準で推移しています。
企業の採用活動は徐々に終盤に差し掛かっているものの、10月の内定式を経て、逆に辞退者が出ている企業もあり、なかなか採用活動を収束させられないケースが多く見られます。
<27卒データ>マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(11月4日時点)
<27卒データ>マイナビ 実施内容別コース掲載社数 2か年比較(11月4日時点)
■プレナビ掲載コース数、大幅増
マイナビ2027におけるプレナビ掲載コース数は、36,936件と昨年同時期に比べ大幅に増加しました。先月の状況と比較しても、すべてのカテゴリで増加が見られ、企業のプレ期活動が一段と活発化していることが分かります。特に「オープン・カンパニー」は前年比23.8%の増加と顕著な伸びを示しており、学生との関係構築の第一歩として企業が実施しやすいイベントになっています。
<27卒データ>マイナビ 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(11月4日時点)

■マイナビ2027は「オンライン」「1日実施」が圧倒的多数に
マイナビ2027におけるインターンシップ等のコース掲載社数について、オンライン開催企業は12,968社と前月比22.1%の増加、1日実施の企業は17,377社と19.7%増加する結果となりました。
企業目線では、負担を抑えながら効率的に開催できる点が魅力的であり、学生目線では限られた時間で多くの企業を知ることができ、双方からニーズが高まっています。
<27卒データ>マイナビ 会員登録者数 2か年比較(11月4日時点)
■マイナビ2027の会員登録者数は、全体で24,094名、理系で41,509名増加
マイナビ2027の会員登録者数は、全体は536,627名(前年同月比24,094名増加)、
理系は188,841名(前年同月比41,509名増加)と、いずれも大きく伸びています。以前は理系採用にはリクナビが強いといわれていましたが、マイナビにおける理系学生の登録が大幅に増えてきています。
学生アンケート(27卒)
前月と同様に1位「マイナビ」(94.3%)、2位「OfferBox」(55.0%)、3位「リクナビ」(44.7%)という結果となりました。やはり「マイナビ」が高い利用率を誇り、新卒採用における就職サービスとして不動の地位を築いていることがわかります。
9月までに接点を持った企業のうち、次回イベントや早期選考に進まなかった企業が「ある」と回答した学生は74.0%にのぼりました。
一方で、「ない」と回答した学生は26.0%にとどまり、多くの学生が複数の企業と接点を持ちながらも、次回イベントや早期選考には進まなかった経験があります。
1位は「社風や働くイメージが湧かなかった」83.3%、2位「興味を持てる仕事内容ではなかった」66.7%と3位以下に大きく差をつける結果となりました。学生は企業との接点を通じて「仕事内容」や「社員の雰囲気」など、働く姿をリアルにイメージできることを重視していることがうかがえます。
単なる企業説明にとどまらず、社員との交流機会や現場の具体的なエピソードを通じて「働く姿を想像できる情報提供を行うこと」が、次回イベントや早期選考につながるポイントといえるでしょう。
1位「エントリーシート作成・提出」74.2%、2位「オープン・カンパニーに参加」67.4%、3位「インターンシップに参加」58.2%、4位「早期選考に参加」49.8%という結果になりました。
トータルで見るとオープン・カンパニーやインターンシップへの参加がメインとなっている一方で、「エントリーシート作成・提出」が最も多く回答を集めたり、「早期選考」が半数近くに達したりするなど、徐々に情報収集のフェーズから選考に向けた動きに移行している様子がうかがえます。
最も多く回答を集めたのは「志望業界を絞った」50.3%、2位が「志望業界を広げた」38.0%という結果から、この時期の学生の活動方針が二極化していることがわかります。
今後接点を持つ学生が「業界を絞って活動しているのか」もしくは「広く業界を見ているのか」に応じて、訴求する内容も異なるため、学生の活動方針を把握することが、魅力的なアピールをしていくための鍵になりそうです。

「大きく上がった」「少し上がった」が合わせて48.4%、「少し下がった」「大きく下がった」が合わせて36.3%、「あまり変わらない」が15.3%という結果となりました。「上がった」と回答した学生からは「仕事体験や自己分析を通じて就職活動への軸や方向性が定まったから」や「危機感を強く感じるようになった 」という意見があげられました。
一方で、「下がった」と回答した学生からは「就活に関係する用事が多く少し疲れてしまったため」や「何がやりたいことか分からなくなった」などの意見があがっています。企業としては、「学生の負担感を鑑みて参加しやすい日程を提示する」や「自分の軸を見つけやすくするサポートを行う」等が求められます。
1位「早期選考に参加」80.3%、2位「エントリーシート作成・提出」62.7%という結果となりました。いずれも選考や応募に直結する行動が上位を占めており、特に早期選考への参加が8割を超えていることから、学生の多くが早い段階で企業との接点を持ち、選考に参加する企業を定め始めている様子がうかがえます。
しかし、3位「仕事体験に参加」が60.7%、4位「インターンシップに参加」が51.7%とこちらも半数以上があげており、新しい志望先となる企業を探す動きも依然として見られます。
「興味を引くイベントタイトルを選ぶ」が59.7%と圧倒的な支持を得る結果となりました。インターンシップや説明会のイベントタイトルを作成する際は「何を学べるか」「参加するメリットがあるか」をわかりやすく伝えることで、学生の関心を引くことができるため、自社のイベントタイトルが学生にとって魅力的な打ち出しになっているか検討する余地がありそうです。
「仕事風景など働いている様子が分かる」88.0%が、2位に30ポイント以上差をつけて1位となりました。9月までに接点を持った企業の次回イベントや早期選考に参加しなかった理由で、「社風や働くイメージが湧かなかった」が1位を占めたように自身が働くイメージができるか否かが、興味・関心に直結していることがわかります。
ナビサイトの原稿などを作成する際は、働くイメージができる写真をいれることを念頭に置く必要があります。
1位「給与」59.7%、2位「仕事内容の具体的な内容(職種・一日の流れなど)」50.7%、3位「休日日数」50.0%が上位を占める結果となりました。「給与」や「休日日数」などの雇用条件と並んで、実際の働き方や一日の流れなど具体的なイメージができるか否かについても学生は重視していることがわかります。
また、「社員の人柄や職場の雰囲気」は37.5%と3人に1人以上は重要視しているため、社内イベントの様子など、社内の雰囲気が伝わる情報をナビサイトや企業HPに公開することで、より学生が重視している情報を伝えることができます。
最も多く回答を集めたのは「社員の人柄や職場の雰囲気」62.0%という結果となりました。2位は「仕事内容の具体的な内容(職種・一日の流れなど)」56.7%となり、3位「業界の将来性・市場動向」40.7%が続く結果となりました。
前項では「社員の人柄や職場の雰囲気」37.5%だったことから、直接社員の方から話を聞けるインターンシップやオープン・カンパニーは企業理解を深めるだけでなく、「自分にマッチした環境か」を見極める重要な機会となっていることがわかります。
現時点で志望業界はいくつあるかについて尋ねました。「2~3業界に絞っている」75.3%が最も多く回答を集め、「まだ決まっていない」14.0%、「4業界以上を広く見ている」8.4%、「1業界に絞っている」2.3%と続く結果となりました。「まだ決まっていない」と回答した学生を含めると9割以上の学生が、現時点で複数業界を視野に入れていることがわかりました。
企業は学生が他業界も視野に入れていることを念頭に置きながら、学生の就活の軸を把握し、「どのような人が活躍できるのか」「どんな価値を社会に提供しているのか」など様々な視点から魅力づけをすることで、学生に選ばれるための訴求ができます。
1位「年内まで」39.3%、2位「来年3月まで」29.0%、3位「特に決めていない」16.0%という結果となりました。就職情報解禁日を迎える3月までに内定を獲得したいと考えている学生が、約7割を占めており、秋冬にかけて学生との接点を持つ企業は、他社内定を持っている学生が一定数いる可能性を考慮して、スピード感を意識した選考フローの案内や個別フォローによる志望度醸成などを行い、学生の希望に応じたスケジュールや意思決定を後押しする施策を取る必要があります。
「4年生のGWまでに終えたい」が60.2%と高い支持を得る結果となりました。7割を超える学生が4月末には就職活動を終えたいと考えていることからも、今年度も就職活動の展開は早そうです。
企業側としては、3月からの就職解禁日を待つのではなく、秋・冬の段階から学生との接点を持ち、志望度を高めておくことが採用成功の鍵になります。例年3月から採用活動を始め母集団形成や志望度醸成に苦戦している企業は、活動開始時期の前倒しや早期接点の強化など、市場の早期化への対応を検討すべきです。
新入社員エッセイ<2025年4月入社>
阿部美洸<青山学院大学卒>
入社して7か月が経ち、あっという間に1年の終わりが見えてきました。最近は業務の流れにも慣れ、自分の中で「できること」と「まだ難しいこと」が少しずつ整理できるようになってきたと感じています。これまで先輩と一緒に進めていた業務も、ひとりで対応する場面が増えてきました。最初の頃は指示を待つことが多かった私ですが、最近は自分から改善案を相談するなど、主体的に行動できるようになってきました。うまくいかないこともありますが、その都度振り返り、改善を重ねることで少しずつ自信につながっています。
また、コミュニケーションの取り方について改めて考える機会もありました。相手の意図を汲み取ることや、自分の考えを正確に伝えることの難しさを感じる場面があり、「伝え方ひとつ」で印象や結果が大きく変わることを実感しました。それ以来、相手の立場に立って言葉を選ぶことや、確認を怠らず丁寧にやり取りすることを意識するようになりました。そうした心がけを続けることで、業務がよりスムーズになり、信頼関係の構築にもつながっていると感じています。
これから年末に向けてさらに業務が増えていく時期ですが、焦らず丁寧に取り組む姿勢を忘れずに、日々の業務に向き合っていきたいと思います。初心を思い出しながら、引き続き前向きに挑戦を続けていきます。
深谷泰生<成城大学卒>
気づけば今年も残り2か月となり、すっかり秋の深まりを感じるようになりました。10月は「挑戦を続けること」と「振り返ること」を意識し、日々の業務の中で小さな改善を重ねることができた月でした。
11月は、その積み重ねを“成果に結びつける”ことをテーマにしたいと考えています。これまで試行錯誤してきた提案や商談の中で掴んだ感覚をもとに、1件1件の質を高めていくことを意識して取り組みたいです。
また、最近は任せていただく業務の幅も少しずつ広がってきました。その分責任も増えますが、自分ができることを増やしていくチャンスでもあると思っています。
「挑戦 → 振り返り → 改善 → 成果」
このサイクルを大切にしながら、1つひとつの仕事に丁寧に向き合い、積み上げてきたものを確かな形にしていけるよう、着実に前進していきたいです。
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