
SPIEGEL9月号|8月末時点の26・27年卒市場動向調査(企業・学生調査)
SPIEGELとは?
株式会社採用総研が毎月発行している、就活生と新卒採用実施企業に関する動向調査です。シュピーゲルはドイツ語で「鏡」という意味。採用コンサルティング会社として、就活生と企業、どちらにも接点を持っている当社だからこそ発信できる、「採用のリアル」をありのまま映し出す鏡のようにお届けします。
調査概要
内容 |
2027年卒就活生・新卒採用実施企業の動向調査 |
調査期間 |
2025年8月25日~2025年8月31日 |
調査対象 |
弊社アンケートモニター |
調査方法 |
WEBフォームによる回答 |
目次[非表示]
- 1.SPIEGELとは?
- 1.1.調査概要
- 2.学生動向
- 2.1.インターンシップ平均エントリー社数・エントリー率
- 2.2.インターンシップ参加率
- 2.3.インターンシップ平均参加社数
- 2.4.早期選考平均参加社数・参加率
- 3.企業動向
- 3.1.<26卒データ>地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(9月1日時点)
- 3.2.<26卒データ>マイナビ 全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(9月1日時点)
- 3.3.<27卒データ>マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(9月1日時点)
- 3.4.<27卒データ>マイナビ 掲載社数と実施内容別コース掲載社数 2か年比較(9月1日時点)
- 3.5.<27卒データ>マイナビ 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(9月1日時点)
- 3.6.<27卒データ>マイナビ 会員登録者数 2か年比較(9月1日時点)
- 4.学生アンケート(27卒)
- 5.新入社員エッセイ<2025年4月入社>
- 5.1.阿部美洸<青山学院大学卒>
- 5.2.深谷泰生<成城大学卒>
学生動向
インターンシップ平均エントリー社数・エントリー率
■8月は参加にシフト
7月末時点で、インターンシップに参加した学生の割合は 76.7% でした。一方で8月にかけての増加は 5.9ポイントの増加にとどまり、8月末時点では 82.6% となっています。
このことから、7月末までにエントリー済みの企業のインターンシップに参加する学生が多く、新規エントリーの動きは8月にはやや鈍化していることが分かります。
インターンシップ参加率
■8割近くの学生がWEBでの参加を経験
7月末時点ではWEB参加率が45.1%、対面は37.4%とWEBが優勢でした。
8月になると参加率は大幅に増加し、対面では約6割、WEBでは約8割に近いことから、前項で記述した通り、7月に予約した企業に8月に参加していることが見てとれます。
インターンシップ平均参加社数
■8月は平均で4社に増加
7月末時点で、WEBで平均3.4社、対面で2.8社参加していましたが、8月にはWEBで6.1社、対面で4.1社と拡大し、1か月で平均約4社のインターンシップに学生は参加していることが分かります。
このことから、8月は学生の活動量が一気に高まり、より幅広い企業を比較検討する状況になっていると言えます。
早期選考平均参加社数・参加率
■早期選考、はじまる
7月末時点で早期選考の参加率は 10.8%(平均1.4社) でしたが、8月には 14.9%(平均1.9社) へと上昇し、意欲層を中心に動きが広がりつつあります。ただし、全体としてはまだ限定的であり、秋以降での本格化が予想されます。
企業動向
<26卒データ>地域別 主要ナビサイト説明会告知社数(9月1日時点)
<26卒データ>マイナビ 全国説明会告知社数と説明会実施方法別比較(9月1日時点)
■26卒向け説明会は、WEBで前年比888社増加
26卒採用について、継続中の企業は依然として多い状況です。対面は2.9%減少したものの、WEBは8.1%増加しており、全体では3.2%増加となっています。
27卒採用との二本立てで進める企業が増えており、対面に比べれば手軽に開催できるWEBを選択する企業が増えています。
<27卒データ>マイナビ 掲載コース件数 2か年比較(9月1日時点)
<27卒データ>マイナビ 掲載社数と実施内容別コース掲載社数 2か年比較(9月1日時点)
■掲載企業数は、前年比1,240社増加
マイナビ2027における掲載企業数は、前年比で1,240社増加しました。
夏休み期間のピークを越えてインターンシップに対する熱量は弱まっているものの、コース数は増加を続けています。特にオープン・カンパニーの伸び率が高く、前年から36%増加しています。
<27卒データ>マイナビ 開催地域別・実施日数別コース掲載社数(9月1日時点)
■マイナビ2027は「オンライン」と「1日実施」が多くを占める
マイナビ2027におけるコース掲載社数について、開催地域はオンラインが全体の31.7%を占める結果となりました。また実施日数別では、1日の企業が12,732社と、全体の74%を占める結果となりました。
学生との接点を確保しながらも、負担を軽減するべく効率化を図る企業の動きが見て取れます。
<27卒データ>マイナビ 会員登録者数 2か年比較(9月1日時点)
■マイナビ2027の会員登録者数は、前年より2.4万人以上増加
マイナビ2027会員登録者数は、9月1日時点では492,814人と前年から5.2%増加する結果となりました。理系の登録者数については、9月1日時点で178,807人と2.9%増加しました。学生からの支持を背景に、マイナビの登録者数は増加を続けています。
学生アンケート(27卒)
「就活ナビサイト(マイナビ、リクナビなど)」が85.1%と最も多く、「スカウトサイト(OfferBox、キミスカなど)」62.6%、「口コミサイト(ワンキャリアなど)」45.6%と続く結果となりました。
就活ナビサイトが情報収集をするためのメインの手段である一方で、スカウトサイトや口コミサイトも一定数の支持を得ているため、学生の情報収集の手段が多様化していることがうかがえます。
最も多く回答を集めたのは「内容が魅力的だったから」70.3%という結果となりました。2位は「企業の知名度が高かったから」40.5%となり、次に「参加しやすい開催形式だったから」37.9%、「希望職種の仕事体験やインターンシップ・オープンカンパニーを開催していたから」37.4%と続く結果となりました。
急な知名度の向上などは難しいですが、「若手社員との座談会で何を聞くことができるのか?」などを具体的に訴求して参加メリットを明確にすることで、魅力的なコンテンツを設計することができるため、内容については吟味する必要があります。
現在利用している就活サービスについて尋ねました。1位は「マイナビ」92.3%と圧倒的な支持率を誇る結果となり、2位「ONECAREER」42.1%、3位「OfferBox」39.5%、4位「リクナビ」36.9%と続く結果となりました。
1番最初に利用し始めた就活サービスについて尋ねたところ、1位「マイナビ」83.1%、2位「リクナビ」7.7%、3位「ONECAREER」6.7%、4位「OfferBox」1.5%と2位以下の順位が変動する結果となりました。1番最初に利用し始めた就活サービスにおいて、リクナビが順位を上げていることからも、学生は就職活動をスタートするタイミングではナビサイトを利用するのが一般的で、その後利用するツールを増やしていくことがわかります。
「自分の強みや弱み、やりたいことが見つからない」が80.0%と最も多く、次いで「内定がもらえるか、何社くらい選考に参加すればよいのか分からない」が68.2%となりました。また、「面接で上手く受け答えできるかが不安」「就職活動と学業の両立ができるかが不安」が3割を超える結果となりました。
学生は自己分析や将来像の明確化に強い不安を抱えており、さらに活動の進め方や内定獲得の見通しについても悩んでいる様子がうかがえるため、人事担当の視点から学生の不安を払拭するためのアドバイスをするなどのアプローチも有効です。
1位は「3年生5月に参加」で6割を超える結果となりました。2位は「3年生4月に参加」45.1%、3位は「3年生6月に参加」38.5%と続く結果となり、いずれも多くの大学で夏季休暇の始まる8月より前に参加する傾向が強く、インターンシップやオープンカンパニーへ参加する前に、学生は就職活動に向けた準備を始めています。
参加した学生にどのような内容のガイダンスに参加したか尋ねました。「就活スケジュールの全体像について」が92.3%と圧倒的で、次に「ナビサイトの利用方法について」61.0%が続く結果となりました。
「ナビサイトの利用方法について」のガイダンスへの参加率が6割を超えることが、3つ前の設問で1番最初に利用し始めた就活サービスとしてナビサイトが高い支持を得た要因の一つになっていると思われます。
就職活動において企業情報の収集やエントリーなどをする場合、パソコンとスマートフォンどちらの利用が多いか尋ねたところ「スマートフォン」64.6%、「パソコン」35.4%という結果となりました。
ナビサイトの作成やスカウトを送信する際には、スマートフォンで表示されたときに見やすい画面になっているか否かを吟味して作成する必要がありそうです。
「対面のみ」が35.9%と最も多く、次点に「参加していない」30.3%、「対面・WEB両方参加した」21.0%、「WEBのみ」12.8%と続く結果となりました。
約7割の学生が就職関連イベントに参加しており、学生との接点作りの手段として就職関連イベントへの参加も十分に検討の余地があります。また、対面形式で参加した学生が過半数を超える一方で、WEB形式で参加した学生が約3割と対面でイベントに参加する傾向が強くなっていることが目を引きます。
就職活動において、どのくらい先まで予定を入れることが多いか尋ねたところ
「1ヶ月先まで」が過半数を占める50.3%という結果となり、次点に「2~3ヶ月先まで」30.8%という結果となりました。学生にイベントや選考案内をする際には、2~3ヶ月前に告知するのが理想であり、遅くとも1ヶ月前には連絡をする必要がありそうです。
「WEBを中心に活動する」と回答した学生が62.1%と対面よりも高い支持を得る結果となりました。秋・冬から学生との接点作りを強化したいと考えている企業は、WEBコンテンツを用意することが母集団形成の鍵になりそうです。一方で、対面を希望する学生も一定数いることからWEBだけではなく、対面で活動する学生の動きも念頭に置いて施策を考えるとより母集団形成が強化できると思われます。
何月までに就職活動を終わらせたいか尋ねたところ、最も多く回答を集めたのは「特に決めていない」32.3%という結果となりました。一方で、「年内に終えたい」23.1%、「来年3月までに終えたい」20.5%と就職情報解禁日を迎える前に活動を終わらせたいと考える学生が4割以上いることから、昨今採用市場の早期化がキーワードになっていますが、早期化の流れに対応した施策や選考フローを設計することが企業側には求められていることがわかります。
新入社員エッセイ<2025年4月入社>
阿部美洸<青山学院大学卒>
8月はこれまで以上に自分の課題と向き合う機会が多い1か月となりました。任せてもらう仕事の範囲や責任が増え、限られた時間の中での進め方を意識するようになりました。特に、時間管理や優先順位の付け方を工夫することの重要性を実感し、作業の順序を整理したり、タスクの進捗を可視化したりするなど、効率的に取り組む工夫も試しました。思うようにいかないこともありましたが、その経験を通じて課題を整理し、解決策を考える力が少しずつ身についてきたと感じています。
また、8月は「自分で気づく力」を意識した月でもありました。これまでは指摘を受けてから修正することが多かったのですが、事前に確認して改善できる場面が増え、自分で工夫することの大切さを実感しました。小さな変化かもしれませんが、自分の成長を感じられたことは大きな励みになっています。
研修で得た知識や日々の経験を活かしながら、今後も効率と丁寧さの両立を意識して着実に成長していきたいです。
まずは、日々の振り返りを大切にし、自分の課題を見極めて改善につなげていきます!
深谷泰生<成城大学卒>
気がつけば、もう8月。入社から4か月が経ち、社内の雰囲気や日々の業務にも少しずつ慣れてきました。この1か月も、日々のルーティンに加えて「初めて」取り組む仕事がいくつかありました。新しい業務や初めての商談準備、先輩に代わって資料をまとめる機会など、正直に言えば緊張する場面も多かったです。でも、その「初めて」の経験を通して、自分なりに考えたり、分からないことを調べたり、先輩達に頼ったりする中で、少しだけ成長できた気がします。
7月は「続けること」を意識してきましたが、8月は「一歩踏み出すこと」を意識してみたいと思います。
– 分からないからやらない、ではなく
– 分からないからこそ、やってみる
そんな風に気持ちを切り替えて、「初めて」を楽しめる8月にしていきたいです。
まだまだ暑い日が続きますが、体調に気をつけて、今月も前向きに取り組んでいきます!
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