新卒採用代行(アウトソーシング/RPO)を選ぶ際の3つのポイント
少子化、ダイレクトリクルーティングなど新手法、採用チャネルの多様化による新卒採用の高度化、コロナ禍による在宅ワークの導入、選考のWEB化など、新卒採用のマンパワー不足、ノウハウ不足が深刻化し、新卒採用業務のアウトソーシング(Recruitment Process Outsourcing、以下RPO)が非常に注目されています。
導入を検討されている経営者、採用ご担当者の方も多いかと思いますので、RPO企業を選ぶ際のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.RPOを導入する理由から選ぶ
- 2.RPO企業の実績や特徴から選ぶ
- 2.1.採用規模の実績
- 2.2.業界や職種の実績
- 2.3.採用ツールの実績
- 2.4.社風・オペレーションの実績
- 2.5.オペレーションの考え方とレベル感
- 3.料金形態から選ぶ
- 4.まとめ
RPOを導入する理由から選ぶ
導入検討に向けて、まずはRPOに何を求めるのか?、自社が何のために採用代行を依頼するのか整理しましょう。
前提としてマンパワー不足が理由と思いますが、派遣社員やアルバイトの活用ではなく、RPOを導入する理由についてより掘り下げて考える必要があります。
事務代行を求めている
・単純にマンパワーが不足している
・数百人規模の大量採用
・自社の採用手法やノウハウが確立している
・アウトソーサーに指示できる専属の採用担当がいる
純粋に採用事務の代行業務を求めている場合です。派遣社員などに採用業務について教育する手間をはぶき、ある程度、採用について理解しているスタッフに、指示を正確に迅速に処理してもらうために導入を検討している場合です。
自社で採用ノウハウや手法が確立していたり、数百人規模の大量採用の企業があてはまるかと思います。RPOだけでなく、事務代行業者なども候補になります。
ただ、あくまで指示した事務作業の代行になりがちで、採用成功に向けてノウハウの提案や代行業者の主体的な改善提案などはそこまで期待できない場合もあるのは留意しないといけません。
【候補RPO】
・派遣会社系RPO企業
・事務代行企業
一緒に採用成功を目指すパートナーを求めている
・自社の新卒採用をレベルアップしたい
・採用ノウハウを蓄積したい
・適時、アドバイスや相談に乗って欲しい
新卒採用は時期、採用市場環境など常に変化し、毎年目まぐるしく状況が変わるため、独自のノウハウがあります。
またリクナビやマイナビなど就職サイト、多様な新卒採用管理システム、LINEやSNSなど学生特有のコミュニケーションツール、ダイレクトリクルーティングなどの新手法など、新卒採用に関わっていないとわからない独自のツールや手法が数多く存在します。
新卒採用のアウトソーシングに単純な事務代行業者が少ない理由がここにあります。
ナビや採用管理システムの運用代行や学生とのやりとり、エントリー状況や説明会参加状況から次の打ち手を一緒になって考え実行していくRPOが新卒採用では求められます。
リクルートやマイナビなど各種ナビの運用会社、その代理店、新卒RPOに特化したアウトソーシング企業や採用コンサルティング企業などが候補になります。
この場合、説明会や面接、学校訪問などのコア業務を自社で担当し、ナビや管理システムの運用や学生連絡などノンコア業務を代行業者が対応する場合が多いです。
代行業者も多く、求める企業も多いのですが、その分代行業者の質が玉石混合で発注が難しい点、注意が必要です。
自社のパートナーとしてどこまで信頼できるのか、どこまで親身に動いてくれるのか、本気でアドバイスしてくれるのか、しっかり見極める必要があります。
【候補RPO企業】
・大手就職ナビ運用企業
・就職媒体代理手店
・採用コンサルティング企業
採用戦略の構築・指導などコンサルティングを求めている
・自社の新卒採用を一新したい
・初めての新卒採用
・採用担当者がいない
初めての新卒採用や、説明会や面接で学生を惹きつけられない。そもそもどういう人物を採用するのか確立していない、など、根本的に新卒採用を考えないといけない場合、より踏み込んだコンサルティング企業が求められます。
求める人物像の策定から、説明会や面接の代行、インターンシップの企画立案、入社案内などの各種採用ツールの作成、採用コンセプトの策定まで、採用業務の上流工程を行います。
ただ、費用が高額になる事が多く、またコンサルティング会社に何か魔法のような採用成功の正解があるかのように錯覚しがちですが、当然そんなものは存在しません。
結局は自分たちが何をしたいのか、どういう人材を何のために採用するのか、そして採用するのも、その学生が働くのも自社だという当事者意識が明確になっていないと、コンサルティング会社の言うがままに振り回されただけで、結局高学歴の応募が増加したり、立派な説明会コンテンツができあがるかもしれませんが、本当の採用の成功とは言えない、高額なコンサルティングフィーを払うだけになりかねません。
【候補RPO】
・採用コンサルティング企業
RPO企業の実績や特徴から選ぶ
自社の業界や特徴から、RPO企業の過去の実績を見て選ぶのも大事です。
RPO企業にも得意な業界や採用規模があります。また採用代行ではRPO企業と密なコミュニケーションが求められるため、RPO企業の社風や担当との相性も大変大事な要素となってきます。
採用規模の実績
過去に自社の採用と似た規模の実績があるか確認してください。
特に100名以上の大量採用の場合、効率的な業務設計が不可欠であり、そのノウハウを持っているか大事です。
大量採用になると採用管理システム(ATS)を導入している場合も多く、そのATSの運用実績があるのかも確認する必要があります。
また、アウトソーサーも何人で対応するのかなど、RPO会社の規模感も求められます。
【見るべきポイント】
・採用数の実績
・ATSの運用実績
・RPO企業の規模、アウトソーサーの人数
業界や職種の実績
過去に自社の業界の実績があるか確認してください。
メーカーなどの理系採用では、研究職や設計職、品質管理など職種が多岐に渡り、そういった職種の理解と、理系採用の場合学生の学科の研究内容や活動の特徴などにも理解があると原稿作成や学生への案内方法など、RPO企業との意思疎通がスムーズに進みます。
同様に、IT企業の場合、募集職種に求められるプログラム言語とレベル感などもRPOに理解があると非常にやりやすいでしょう。
また、理系採用の場合、文系学生とは違い、教授推薦や学校推薦がまだまだ重要なので、そういった理解も必要です。
全国の大学のランク、理系では各大学の機電系学科や土建系学科の有無など詳しいRPO企業だと、非常にやりやすく、的確な提案も期待できます。
【見るべきポイント】
・業界の実績
・職種の実績
・理系学生の理解
・大学ランクや学科の詳しさ
採用ツールの実績
上記しましたが、採用管理システム(ATS)を導入している場合、そのATSの運用実績があるかは、重要です。
また、最近ではLINEやダイレクトリクルーティング、AIなど、新しい採用手法やコミュニケーション方法も台頭しており、それらの知見があるRPO企業なら、最新の採用トレンドの提案や活用も期待できます。
特に、ダイレクトリクルーティングはスカウトの運用が必須なので、ダイレクトリクルーティングを導入している企業は、RPO企業にどのダイレクトリクルーティングサービスで実績があるのか確認しておく必要があります。
上記のような最新ツールでなくとも、頼みたい業務範囲によって、採用専用フリーダイヤル回線の取得と学生対応をしてもらえるのか、採用専用メールアドレスやGoogleスプレッドシート、適性検査などの知見や詳しさ、扱いの有無も大事です。
最近では、zoomなどのWEB面接やWEB説明会も一般化しましたのでこれらに詳しいRPO会社だとやりやすいです。
【見るべきポイント】
・ATSの運用実績
・LINEなどSNSの運用実績
・ダイレクトリクルーティングの運用実績
・採用専用ダイヤルやメールアカウントの取得の有無
・zoomやGoogleなどWEBツールの知見と扱いの有無
・そのた最新採用ツールなどの知見
社風・オペレーションの実績
RPOは1年限りの契約でなく、長期間の契約でお互いの理解を深め、ブラッシュアップしていくのが理想です。そのため社風の相性は大事です。
社風と言うと抽象的に感じるかもしれませんが、例えば、私の個人的な経験ですが、ベンチャー企業では、社長の一存で急に方針や採用数が増えたりする事が多く、柔軟で即時に動ける対応が求められることがよくありました。
逆に大手企業では、綿密な事前計画の立案とスケジューリング、効率化を求められることが多く、採用担当者も多いので、部課内の情報共有をスムーズにする工夫が求められました。
そういう企業ごとの特徴や風土との相性が良いRPOだと、お互いストレスなく業務が進みます。
【見るべきポイント】
・実績企業の具体的な社名
・自社の社風と相性が良いか
【採用総研のアウトソーシング導入実績集】
オペレーションの考え方とレベル感
採用活動では、面接日程の急な変更など、その日中に学生に連絡しないといけない状況や、土日に学生に連絡して欲しいなど、どうしても急な対応や無理な対応を求められる事が多々あります。それらにどこまで対応できるのか、事前に確認しておく必要があります。
もしくはそういう急な対応が度々発生するのは、オペレーションに問題がある場合が多いので、そいう急な対応が発生しないよう事前準備がしっかりしているのかも大事です。
また、採用業務の効率化を求めると、どうしても学生対応がシステマチックになりがちですし、応募学生のレベルも様々なので、思いもよらないトラブルや問い合わせに対して、どこまで丁寧に学生対応してもらえるのか摺合せが必要です。
【見るべきポイント】
・土日対応の有無
・迅速な対応力
・業務オペレーションのレベル感
料金形態から選ぶ
RPOは任せる業務、企業、規模、内容によって料金形態は様々です。
自社にあった料金形態から選ぶ必要があります。
RPOで多い料金形態として次の3つが多く見られ、内容により複合して費用が発生します。
ここでは一般的なRPO料金と一緒に料金形態についてご紹介します。
月額料金
母集団規模によって変わりますが、月額で料金が発生します。
繁忙期のみの契約となるため、必要に応じての月数の契約が可能ですし、最初に想定した量と大幅に変更がなければ、月額料金で量を問わずに対応してもらえるので、細かい対応数のカウントなどなく、予算計画も立てやすいです。
【料金例】
・就職ナビ運用管理費 20,000円~/月
・説明会、面接動員・予約管理費 100,000円~/月
・スカウト運用代行費 200,000円~/月
従量課金制
スカウトの件数や、電話の件数、応募学生の数など件数によって料金が発生します。
実費請求なので無駄はありませんが、その都度件数のカウントの手間が発生し、発生料金が想定しにくい場合もあります。
【料金例】
・説明会電話動員 300円~/件*3回コール
・スカウト代行 1,500件~/件
業務別単発料金制
業務内容ごとに単発で料金が発生します。
【料金例】
・インターンシップコンテンツ企画費 1,000,000円/コンテンツ
・説明会プレゼン用パワーポイント制作費 500,000円/コンテンツ
まとめ
RPO企業を選ぶにあたって、3つのポイントをご紹介しました。
RPOは長期で契約し、ブラッシュアップしていく事が求められるサービスですので、自社にあったパートナーを選ぶ事が大事です。
採用総研では採用コンサル会社、採用アウトソーシング企業として数多くの実績があります。
RPOを検討されているようでしたら、お気軽にお問い合わせください。
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