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Z世代は「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視。ワンキャリアで彼らが見ている“たった一つ”のポイントとは?

【この記事を読むべき人】

  • Z世代の学生の行動原理を理解したいご担当者様

  • エントリーシートや面接の質問設計に課題を感じている方

  • 学生の時間感覚を尊重した採用プロセスを作りたい方


新卒採用ご担当の皆様、日々のご採用業務、お疲れ様です。

近年、Z世代(概ね1990年代中盤以降に生まれた世代)の行動原理として定着しているのが、「タイパ(タイムパフォーマンス)」という概念です。彼らにとって、かけた時間に対してどれだけの効果(リターン)が得られたかを重視するのは、当たり前の感覚となっています。

このZ世代の「タイパ意識」は、彼らの就職活動に色濃く影響しています。従来の非効率な企業研究(例:OB訪問を多数こなす、合同説明会に片っ端から参加するなど)は、彼らにとっては「タイパが悪い」と判断されます。

では、Z世代にとって「タイパが良い」情報収集ツールとは何か? 

それが、ワンキャリアに集まる選考のリアルな体験談です。

本記事では、Z世代のタイパ意識を理解し、ワンキャリアで彼らが何を求めているのかを分析。その上で、企業側が選考で取るべき「学生の時間を尊重する対策」を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.1. タイパを左右する「たった一つのポイント」:選考プロセス情報の『解像度』
    1. 1.1. Z世代が見ている「たった一つ」のポイント
  2. 2.2. 採用担当者が持つべき「事前理解」:ワンキャリアは「答え合わせの場」である
    1. 2.1. 学生は「既知」の情報で選考に臨んでいる
    2. 2.2.採用担当者が取るべき視点
  3. 3.3. タイパ世代に選ばれる!選考プロセスを「有意義」に変える3つの戦略
    1. 3.1.戦略1:選考情報の「開示」と「省略」で学生のタイパを尊重する
    2. 3.2.戦略2:選考プロセスで「新しい気づき」を与える
    3. 3.3.戦略3:選考の「フィードバック」を充実させる
  4. 4.4. 「チーム採用」の実現:現場・専門家を巻き込む効率的な採用
    1. 4.1.1. 現場の協力と選考基準の統一
    2. 4.2.2. 社外リソースの有効活用
  5. 5.まとめ:タイパ世代の行動を理解し、選考の質を高める

1. タイパを左右する「たった一つのポイント」:選考プロセス情報の『解像度』

学生であるZ世代がワンキャリアで最も求めている「タイパ」を左右する情報は、企業の文化や理念といった抽象的なものではなく、「選考プロセスの具体的な情報」です。

彼らは、内定という目標達成に向けて、ワンキャリアを極めて合理的かつ有意義なツールとして活用しています。

 Z世代が見ている「たった一つ」のポイント

それは、エントリーシート(ES)の設問内容や、面接での質問例といった「選考の解像度」です。

  • ES対策: 過去の設問と、通過した学生のESがどのような傾向にあるか。

  • 面接対策: 面接官の人数、雰囲気、質問の具体的な内容(深掘りの質問例)。

Z世代の学生は、この情報を得ることで、企業研究の時間を最小限に抑え、「この企業に必要な準備は何か」という点に集中してリソースを投入します。ワンキャリアは、彼らにとって、労力を最小化し、成果を最大化するための羅針盤となっているのです。


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2. 採用担当者が持つべき「事前理解」:ワンキャリアは「答え合わせの場」である

採用担当者の皆様には、Z世代の学生がワンキャリアを「答え合わせの場」として活用しているという事実を理解することが極めて重要です。

 学生は「既知」の情報で選考に臨んでいる

学生は、企業の公開情報はもちろん、ESの設問傾向や面接での質問のパターンまでを、既にある程度知った状態で選考に臨んでいます。

企業側がこの事前知識を無視し、選考の初期段階でワンキャリアに情報が既出の質問ばかりを繰り返すことは、学生から見ると「タイパの悪い選考」と見なされます。

採用担当者が取るべき視点

選考の場で確認すべきは、「学生が既に知っている情報にどれだけ時間をかけたか」ではなく、「その情報を踏まえて、彼らが当社でどのような付加価値を生み出せるか」という未来志向の視点です。

採用担当者が、ワンキャリアの情報公開の現状を把握し、学生の時間の使い方を尊重するという事前理解を持つことが、選考の質を高める第一歩となります。


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3. タイパ世代に選ばれる!選考プロセスを「有意義」に変える3つの戦略

学生のタイパ意識を逆手に取り、選考プロセスそのものを「参加する価値がある」と感じてもらうための3つの戦略を提示します。

戦略1:選考情報の「開示」と「省略」で学生のタイパを尊重する

既にワンキャリアで拡散されている情報(ESの形式、一次面接の質問の切り口など)を、選考プロセスでは「省略」し、より深い対話に時間を割く設計にします。

  • 例: 過去の経験の確認はESで終え、面接では未来志向の議論に時間を充てる。

戦略2:選考プロセスで「新しい気づき」を与える

学生がワンキャリアでは得られない、企業側からの新しい情報や気づきを選考中に提供します。これは、学生にとって「参加する価値があった」と感じる最大の要素です。

  • 例: 役員面接で、学生のESに対する具体的なフィードバックや、その学生の強みを活かせる部署のリアルな課題を提示する。

戦略3:選考の「フィードバック」を充実させる

不採用となった学生に対しても、彼らの成長に繋がる質の高いフィードバックを提供します。これは、学生の「タイパ(時間=成長)」に企業が貢献しているというメッセージになり、企業イメージが向上します。

  • 注意: これら選考の質の向上には、面接官を務める現場社員への適切な教育と基準の統一が不可欠です。


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4. 「チーム採用」の実現:現場・専門家を巻き込む効率的な採用

学生のタイパ意識を理解し、選考の質を高めるためには、人事部だけの努力では限界があります。企業全体の「効率的かつ質の高い採用」を実現することが、採用成功への鍵となります。

1. 現場の協力と選考基準の統一

  • 面接官のトレーニング: 現場社員が面接官を務める際、学生の既知情報を前提とし、質の高い深掘り質問ができるようトレーニングを徹底します。これにより、選考の判断精度が上がり、結果的に企業側の工数削減(効率化)に繋がります。

  • 現場のサポート: 採用活動のゴール(求める人物像、評価基準)を全社で統一し、情報のブレを防ぎます。

2. 社外リソースの有効活用

タイパを追求するZ世代の行動様式は変化が速く、自社内での分析に時間を割くのは非効率的です。

当社では、ワンキャリアの情報を継続的に分析し、学生の「タイパ」重視の傾向がどこにあるかを特定しています。分析結果に基づき、選考プロセス全体を再設計し、企業側・学生側双方にとって無駄のない選考となるよう戦略を立案します。

Z世代の「タイパ」は、企業に対し「本質的な価値」の提供を求めています。口コミに惑わされるのではなく、彼らの合理的意識を理解し、「時間の無駄のない、有意義な選考」を提供することで、優秀なZ世代に選ばれる企業を目指しましょう。


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まとめ:タイパ世代の行動を理解し、選考の質を高める

本記事では、新卒採用担当者様に向けて、Z世代が就職活動で重視する「タイパ(タイムパフォーマンス)」と、ワンキャリアの活用実態について解説しました。

学生がワンキャリアで見ている「たった一つのポイント」は、内定に直結する選考プロセスの『解像度の高い情報』です。

  • 採用担当者が持つべき事前理解: 学生はワンキャリアで「答え合わせ」をしているという事実を認識する。

  • 選考の質を高める戦略: 既知情報を問う時間を削減し、「新しい気づき」や「質の高いフィードバック」を提供する選考設計に転換する。

  • 実現のための体制: 現場社員の協力と選考基準の統一、そして口コミ分析や選考設計における社外リソースの活用が不可欠である。

Z世代のタイパ意識を尊重することは、単に時短するということではなく、「学生にとって最も価値ある時間を提供する」という姿勢の表れです。この姿勢こそが、優秀なZ世代に選ばれる企業ブランドを築きます。

貴社の選考プロセスにおけるタイパ改善や、Z世代に響く採用戦略の構築について、専門的なサポートが必要であれば、ぜひ一度ご相談ください。

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宮本一平
宮本一平
2014年入社。営業マネージャー。企業の採用・教育に対して戦略的・包括的サポートを行う。採用においては、トレンドに合わせて採用難度の高い「機電系」特化の大量採用の採用フロー設計やコンテンツ設計を担当し、また設立間もない「ベンチャー企業」の採用戦略設計や実務運用フォローアップなども行う。教育においては、セールスだけでなく講師も兼任し、企業ニーズに合わせたプログラム設計から、階層別研修の全体設計までトータルプロデュース。戦略的人事コンサルタントとして、採用・教育ノウハウをクライアントに還元すべく、セールスフィールドにいることをモットーとしている。プライベートでは、看護師の妻を持ち、2人の男の子の父親で、自らが外遊び大好き「全力少年」。

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