
【28卒・29卒】大学のテスト期間・夏休み・春休みから逆算する新卒採用スケジュール|学生が「動ける時期」はいつか
新卒採用のスケジュールを考えるとき、多くの企業が基準にするのは「3月1日の広報解禁」「6月1日の選考解禁」といった、いわゆる解禁日です。しかし実際に説明会やインターンシップの集客で差がつくのは、解禁日ではなく「学生がその時期に動けるかどうか」です。
大学生には、企業側からは見えにくい年間スケジュールがあります。前期試験、夏休み、後期試験、春休み。この学事暦を無視して施策を打つと、同じ内容・同じ予算でも参加率は大きく変わります。
この記事では、新卒採用のご支援を通じて蓄積してきた学生の動きと、マイナビ掲載社数の実データをもとに、大学のテスト期間・夏休み・春休みから逆算する採用スケジュールの組み立て方を解説します。28卒(2028年3月卒業予定)を主軸に、29卒の準備にも触れていきます。
目次[非表示]
- 1.なぜ「解禁日」だけで採用スケジュールを組むと失敗するのか
- 2.まず押さえたい|大学生の年間スケジュール早見表
- 3.学生が動けない「4つの空白期間」
- 4.大学の休みと採用スケジュールを重ねる|28卒モデルカレンダー
- 5.データで見る「競合が動く時期」|マイナビ掲載社数の推移
- 6.学生の稼働率データ|スカウトはいつ届くのか
- 7.28卒・29卒 月別アクションカレンダー
- 8.よくある失敗3選
- 9.よくあるご質問
- 9.1.Q. 大学の夏休みは正確にいつからいつまでですか?
- 9.2.Q. 大学の春休みはいつからですか?
- 9.3.Q. 学生が動きやすい時期はいつですか?
- 9.4.Q. インターンシップは大学の休み以外に実施できませんか?
- 9.5.Q. 28卒の就活スケジュールに変更はありますか?
- 10.まとめ
なぜ「解禁日」だけで採用スケジュールを組むと失敗するのか
新卒採用の日程は、政府から経済団体・業界団体へ「広報活動は卒業年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動は卒業年度の6月1日以降、正式な内定日は卒業年度の10月1日以降」という要請が出されており、28卒についてもこの日程が維持される見込みです。
ただし、この解禁日はあくまで企業側の都合で引かれた線です。学生側には、まったく別の時間割が存在します。
たとえば「3月1日に広報解禁だから、3月第1週に説明会を集中させよう」という設計は、一見すると正しく見えます。しかし3月1日時点の学生の多くは春休みの真っ最中で、帰省中・旅行中・アルバイト中というケースも珍しくありません。逆に「7月は夏休みだから学生は暇なはず」と7月中旬に大型イベントを設定すると、前期試験と真正面からぶつかります。
採用スケジュールは、解禁日と学事暦の「両方」を重ねて初めて設計できる。 これが本記事の結論です。
まず押さえたい|大学生の年間スケジュール早見表
大学によって差はありますが、多くの大学に共通する年間の流れは次のとおりです。
前期試験は7月下旬〜8月上旬、夏休みは9月20日前後まで
前期の定期試験は、おおむね7月22日・25日前後から8月上旬までに実施する大学が多くなっています。そして夏休みは、試験が終わったタイミングから9月20日前後までというのが一つの目安です。
ここで採用担当者が誤解しやすいのが、「大学の夏休みは7月から」ではないという点です。小中高のイメージで7月20日頃からの2か月を想定してしまうと、実際に学生が自由に動けるのは8月に入ってからの約6週間、という現実とのあいだに大きなズレが生まれます。
さらに注意したいのは、試験期間そのものよりも「試験期間の少し前」から学生の動きが鈍ることです。定期試験だけでなくレポート提出が課される科目も多く、7月上旬から中旬にかけては試験勉強とレポート作成でバタバタしている学生が少なくありません。実質的な「動けない期間」は、7月上旬〜8月上旬の約1か月と見ておくのが安全です。
後期試験は1月下旬〜2月上旬、春休みは3月末まで
後期の定期試験は、1月24日・25日前後から2月上旬までが中心です。春休みはその後から3月末まで続きます。約1か月半から2か月と、夏休みよりも長い休みになる大学も多くあります。
ただし、後期試験については夏とは事情が少し異なります。就活の主対象である大学3年生(修士1年)は、卒業要件となる単位を3年前期までにおおむね取り終えている学生も多く、後期の履修科目数がそれほど多くないケースが目立ちます。そのため、7月ほど極端に動きが止まるわけではありません。
現場感覚として付け加えるなら、この時期にテストが詰まっている学生は、そもそもインターンシップにあまり動いていない傾向があります。1月下旬から2月上旬を「学生が全員動けない期間」と決めつけて施策を止めてしまうのは、機会損失になりかねません。
学部・進路による例外も押さえておく
上記はあくまで一般的な目安です。実際には次のような例外があります。
理系・大学院進学予定者:研究室の活動が本格化するため、平日日中の拘束が長い
医療・看護・教職課程:臨地実習や教育実習が数週間単位で入る(時期は学科により様々)
体育会所属:シーズン中は遠征・合宿で長期不在になる
留学・海外在住者:時差の関係でオンライン説明会の時間帯配慮が必要
自社のターゲット学生層がどこに当てはまるかを整理しておくと、施策の設計精度が上がります。
学生が動けない「4つの空白期間」
年間を通して見ると、学生の就活稼働率が落ちるタイミングは、大きく4回あります。
7月上旬〜8月上旬|前期試験+レポート提出。年間で最も動きが止まる
9月下旬〜10月上旬|後期開始直後。履修登録やガイダンスで落ち着かない
1月中旬〜2月上旬|後期試験。ただし3年生は7月ほどではない
3月下旬〜4月上旬|新年度の立ち上がり。引越しや新学期準備が重なる
この4つの空白期間に、単発の大型施策(合同説明会・大規模セミナー・応募締切)をぶつけない。これだけでも集客のブレは大きく減らせます。
逆に言えば、8月〜9月中旬と2月中旬〜3月中旬は、学生がまとまった時間を確保できる「ゴールデンタイム」です。ここに、複数日程のインターンシップや対面イベントなど、時間を要する施策を寄せていくのが定石になります。
大学の休みと採用スケジュールを重ねる|28卒モデルカレンダー
学生側の時間割が見えたところで、企業側のスケジュールを重ねてみます。
インターンシップは「長期休暇期間」しか実施できない
ここで必ず押さえておきたいのが、2023年度から適用されている学生のキャリア形成支援活動の4類型です。
このうち、取得した学生情報を採用選考活動に活用できるのはタイプ3・タイプ4です(活用できるのは採用選考活動開始以降)。そしてタイプ3には、「学部3年・4年ないし修士1年・2年の長期休暇期間(夏休み・冬休み・春休み)に実施する」という実施時期の要件があります。
つまり、選考につなげられる本格的なインターンシップは、大学の長期休暇期間にしか実施できないということです。大学のテスト期間や休みの日程を把握しておくことは、単なる集客上の工夫ではなく、制度上、設計の前提条件になっているのです。
5日間のプログラムを組むなら、8月〜9月中旬か、2月〜3月に配置するしかありません。この枠の取り合いになることを前提に、早めに日程と会場を押さえておく必要があります。
データで見る「競合が動く時期」|マイナビ掲載社数の推移
学生の動きと同じくらい重要なのが、競合企業がいつ動くかです。当社で追跡しているマイナビの掲載社数推移を見ると、採用市場の早期化がはっきりと数字に表れています。
※各卒年の前年6月から卒業前年3月までの推移(自社調べ)。
3月の母数はほぼ横ばい、6月の母数は1.7倍
この表で最も注目していただきたいのは、24卒と27卒の比較です。
3月時点:28,192社 → 30,789社(+9.2%)
6月時点:8,154社 → 13,976社(+71.4%/約1.71倍)
3月1日の広報解禁時点で掲載している企業の総数は、4年間でほとんど変わっていません。一方で、インターンシップ情報が解禁される6月時点の掲載社数は、約1.7倍に膨らんでいます。
これが意味するのは、競合が「増えた」のではなく「前に来た」ということです。以前は3月から動いていた企業が、いまは前年の6月から動いている。同じ数の企業が、より長い期間、学生に接触しているわけです。
3月からのスタートでは、学生の志望度形成にすでに大きな差がついている状態から追いかけることになります。
10月と3月に起きる2つの急増
推移をさらに細かく見ると、掲載社数が跳ね上がるポイントが2つあります。
9月→10月:27卒では15,867社 → 20,579社(+4,712社/+29.7%)
1月→3月:27卒では21,951社 → 30,789社(+8,838社/+40.3%)
10月の急増は秋冬インターンシップの募集開始、3月の急増は広報解禁によるものです。この2つのタイミングは、学生の目に触れる企業数が一気に増え、自社の情報が埋もれやすくなる時期でもあります。
したがって、次のような前倒しの発想が有効になります。
9月中に秋冬インターンシップの情報を出しておく
3月1日を待たず、1月〜2月の段階で母集団形成を進めておく
なお、媒体によっては3月1日掲載分の原稿締切が1月中旬に設定されているケースもあります。「3月に考えよう」では間に合いません。
学生の稼働率データ|スカウトはいつ届くのか
もう一つ、当社で確認しているスカウト機能の登録者データをご紹介します。
注目すべきは1週間以内ログイン率です。25卒の56.0%から、26卒では62.6%へと上昇しています。登録者の6割以上が直近1週間以内にログインしているという状態は、春休み期間に学生の稼働率が非常に高いことを裏付けています。
ダイレクトリクルーティングやスカウトを実施するのであれば、学生が能動的に画面を開いている時期=長期休暇期間に送信を寄せることで、開封率・返信率は変わってきます。逆に、7月中旬から8月上旬にスカウトを大量送信しても、既読すらされずに流れてしまう可能性が高くなります。
28卒・29卒 月別アクションカレンダー
2026年9月時点からの、実務レベルでのアクション例です。
よくある失敗3選
失敗1|テスト期間に説明会の目玉日程をぶつけてしまう
7月中旬や1月下旬に大型説明会を設定し、予約は入ったのに当日キャンセルが相次ぐ、というケースです。学生に悪気はなく、単純にレポートや試験勉強が優先されているだけです。この時期は録画配信やオンデマンド型に切り替えるほうが、結果的に接触数は伸びます。
失敗2|「大学の夏休みは7月から」だと思い込んでいる
前述のとおり、多くの大学で夏休みが本格的に始まるのは8月に入ってからです。7月中に「夏休み向け」の長期プログラムを組むと、参加できる学生が限られます。サマーインターンの主戦場は8月と考えておくのが安全です。
失敗3|3月1日に施策を集中させすぎる
広報解禁日に合わせて3月第1週にイベントを集中させると、掲載社数が3万社規模に膨れ上がるなかで自社が埋もれます。しかも学生は春休み中で、行動範囲も広い。1月〜2月の段階で先に接点をつくり、3月は「すでに知っている学生」を動かす月と位置づけたほうが、投資対効果は高くなります。
よくあるご質問
Q. 大学の夏休みは正確にいつからいつまでですか?
A. 大学・学部によって異なりますが、前期試験が7月22日・25日前後から8月上旬まで実施され、その終了後から9月20日前後までが夏休み、というのが一つの目安です。国公立大学は8月上旬から9月下旬、私立大学は7月下旬から9月中旬という傾向があります。学生ごとに履修している科目の試験日程が違うため、「全員が同じ日に一斉に休みに入る」わけではない点にご注意ください。
Q. 大学の春休みはいつからですか?
A. 後期試験(1月24日・25日前後〜2月上旬)の終了後から3月末までが一般的です。夏休みより長く、1か月半から2か月程度になる大学も多くあります。3月1日の広報解禁と完全に重なるため、新卒採用においては最も重要な期間です。
Q. 学生が動きやすい時期はいつですか?
A. 8月〜9月中旬と2月中旬〜3月中旬です。この2つの期間はまとまった時間が確保できるため、複数日程のインターンシップや対面イベントに向いています。
Q. インターンシップは大学の休み以外に実施できませんか?
A. 単日のオープン・カンパニー(タイプ1)や、就業体験を伴わないイベントは通年で実施可能です。ただし、取得した学生情報を採用選考活動に活用できるタイプ3のインターンシップは、長期休暇期間に実施することが要件となっています。
Q. 28卒の就活スケジュールに変更はありますか?
A. 広報活動開始が3月1日以降、採用選考活動開始が6月1日以降、正式な内定日が10月1日以降という政府要請の枠組みは維持される見込みです。一方で、インターンシップ経由の早期選考は年々拡大しており、実質的な採用活動の開始時期は前倒しが続いています。
まとめ
新卒採用のスケジュール設計で押さえるべきポイントを整理します。
解禁日と学事暦を重ねて設計する。学生が動けない時期に施策を打っても成果は出ない
学生が動けない空白期間は年4回(7月上旬〜8月上旬/9月下旬〜10月上旬/1月中旬〜2月上旬/3月下旬〜4月上旬)
ゴールデンタイムは8月〜9月中旬と2月中旬〜3月中旬。時間を要する施策はここに寄せる
選考につなげられるインターンシップは長期休暇期間にしか実施できない(4類型のタイプ3要件)
競合は増えたのではなく前に来た。24卒→27卒で3月時点の掲載社数は+9.2%だが、6月時点は約1.71倍
10月と3月は掲載社数が急増する。その直前に手を打っておく
採用市場の早期化が進むなかで、限られた予算と人員をどこに配分するかの判断は、年々難しくなっています。「いつ、どの学生に、何を届けるか」を学事暦から逆算して設計できれば、施策一つあたりの成果は確実に変わります。
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