
プログラミング未経験者の「適性」はどう見抜く?CAB/GABテストだけに頼らない選考手法
「適性検査のスコアは高かったのに、配属後に伸び悩んでしまう…」
未経験者(ポテンシャル層)のエンジニア採用において、このようなミスマッチに頭を悩ませている人事担当者様は少なくありません。 多くの企業様がCAB(コンピュータ職適性テスト)やGABなどの筆記試験を導入されていますが、これらは「基礎能力」の証明にはなっても、「現場で活躍できるエンジニア」であることの完全な証明にはなりにくいのが実情です。
私たち株式会社採用総研は、数々のIT企業様のご支援を通じ、テストの数値には現れない「隠れたエンジニア適性」を面接での対話から見出すお手伝いをしてきました。 本記事では、文系学生や未経験者の中に眠る「地頭」や「GRIT(やり抜く力)」を見抜くための、具体的な面接手法をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.なぜ、CAB/GABテストだけでは「エンジニア適性」を測りきれないのか?
- 2.文系学生の「地頭」を見抜く具体的な面接質問(評価基準付き)
- 2.1.Q1. 「あなたが一番ハマっている趣味(または研究)を、この分野を全く知らない小学生にも分かるように『3つのステップ』で説明してください」
- 2.2.Q2. 「最近気になったニュースは? それは『なぜ』起きたと思いますか?」
- 3.論理性だけでは足りない。「GRIT」と「自走力」を見極める
- 3.1.Q3. 「これまでの人生で『努力したが報われなかった(失敗した)』経験と、その原因をどう分析しているか教えてください」
- 3.2.Q4. 「プログラミングに興味があるとのことですが、実際に触ってみたことはありますか?」
- 4.運用上のアドバイス:面接官の「感覚」だけに頼らないために
- 5.まとめ:地頭とGRITは「テスト」ではなく「対話」で見抜け
なぜ、CAB/GABテストだけでは「エンジニア適性」を測りきれないのか?
結論:テストは「処理速度」を測るものですが、開発現場で必要なのは「構造化能力」だからです。
CABテスト(暗算や法則性)が得意な学生は、確かに「既存のルールに従って処理するスピード」は非常に速いです。 しかし、実際のシステム開発の現場で求められる能力は、少し質が異なります。
テスト: 正解がある問題を、パターン認識で素早く解く力。
実務: 正解がない(バグや仕様変更)状況で、原因を仮説検証し、解決策を作る力。
このギャップを見落とすと、「マニュアルがあれば早いが、想定外のエラーが出るとフリーズしてしまう」という人材を採用してしまう可能性があります。 面接で見抜くべきは、計算の速さではなく、物事をロジカルに分解し、再構築する「思考のプロセス」そのものです。
文系学生の「地頭」を見抜く具体的な面接質問(評価基準付き)
結論:「物事を分解して説明する力(抽象化)」を問う質問が有効です。
「地頭が良い」という言葉は曖昧ですが、エンジニア採用の文脈で定義すると「複雑な事象を、誰にでも分かるように構造化して説明できる能力」と言えます。 これを測るための具体的な質問例をご紹介します。
Q1. 「あなたが一番ハマっている趣味(または研究)を、この分野を全く知らない小学生にも分かるように『3つのステップ』で説明してください」
・狙い:
専門用語を使わず、物事の要点を掴んで翻訳する「抽象化能力」を見ます。これは、プログラミングにおける「クラス設計」や「関数化」の思考と非常に似ています。
・× 評価注意:
専門用語を並べ立ててしまう(相手の目線に立てない=仕様理解力の不足)。
ダラダラと話し続け、「3つのステップ」という制約(要件)を守れない。
・〇 評価ポイント:
「準備→実行→振り返り」など、プロセスをきれいに構造化できている。
「例えば○○のようなものです」と、身近な例え話(メタファー)が使える。
Q2. 「最近気になったニュースは? それは『なぜ』起きたと思いますか?」
・狙い:
事象の表面だけでなく、裏側の構造(Why)に興味を持てる「知的好奇心」を見ます。エンジニアに必要な「なぜ動くのか?」を探求する姿勢に通じます。
・〇 評価ポイント:
「円安が原因と言われていますが、構造的には日本の産業構造の遅れも影響していると思います」など、自分なりの仮説(ロジック)を組み立てられている。
論理性だけでは足りない。「GRIT」と「自走力」を見極める
結論:エンジニアの仕事は「挫折の連続」です。論理がエンジンなら、GRITは燃料です。
いくら地頭が良くても、プログラミング特有の「エラーが出続けるストレス」に耐えられず、心が折れてしまう未経験者もいます。 論理的思考力とセットで確認しておきたいのが、GRIT(やり抜く力)と自走力(自ら学ぶ姿勢)です。
Q3. 「これまでの人生で『努力したが報われなかった(失敗した)』経験と、その原因をどう分析しているか教えてください」
・狙い:
失敗した時に他責にせず、原因を客観的にデバッグできるか(内省力)を見ます。
・〇 評価ポイント:
「準備不足が原因だったので、次はチェックリストを作った」と、根性論ではなく「仕組み(情報の資産化)」で解決しようとしているか。
Q4. 「プログラミングに興味があるとのことですが、実際に触ってみたことはありますか?」
・狙い:
自走力(Action)の確認です。「興味がある」と言いながら行動していない場合、エンジニアとしての適性は低い可能性があります。
・〇評価ポイント:
「Progateをやってみた」「本を買って読んでみた」など、小さな一歩でも自発的に行動しているか。
優秀なエンジニアは、研修を待たず勝手に学び始める傾向があります。
運用上のアドバイス:面接官の「感覚」だけに頼らないために
結論:「話が面白い=地頭が良い」というバイアスに注意が必要です。
ここまでご紹介した質問は非常に強力ですが、運用にあたっては一つだけ注意点があります。 それは、面接官が「コミュニケーション能力(愛想の良さ・流暢さ)」を「地頭の良さ」と混同してしまうことです。
口下手でも、論理構築がしっかりしている「原石」のような学生。
話は流暢だが、論理が破綻している学生。
この違いを正確に見抜くためには、面接官個人の感覚や経験則だけに頼るのではなく、「評価シート(ルーブリック)」を用意することをお勧めします。 「論理性」「GRIT」「自走力」などの項目ごとに評価基準を言語化し、誰が面接しても同じ基準で判断できる「構造化面接」を導入することで、採用の精度は劇的に安定します。
まとめ:地頭とGRITは「テスト」ではなく「対話」で見抜け
CAB/GABなどの適性検査は、あくまで一つの指標に過ぎません。 本当の意味で自社にマッチし、入社後に技術力を伸ばしていける人材を見つけるためには、面接での深い対話を通じて、その思考プロセスや学習姿勢を確認することが大切です。
【編集後記・監修】株式会社採用総研
「質問の意図は分かったが、自社の面接官がこれを使いこなせるか不安だ」 「面接官によって評価基準がバラバラで、いい人材を取り逃がしている気がする」
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