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「大丈夫です」を信じるな。久しぶりの新卒採用で陥る、新人が「退職届」を出す直前の無言のサイン

【この記事を読んでいただきたい方】

  • 数年ぶりに(あるいは初めて)新入社員を採用し、受け入れに緊張感を持っている人事・教育担当者

  • 最近の若手の「本音が見えない」「何を考えているか分からない」と不安を感じている経営層

  • 新人の受け入れを機に、「勘や経験に頼らない人材管理(タレントマネジメント)」を始めたいと考えている方

所要時間:約5分

目次[非表示]

  1. 1.はじめに:「突然の退職」は、実は突然ではない
  2. 2.1. なぜ「大丈夫です」と言うのか? リアリティ・ショックの正体
  3. 3.2. 見逃してはいけない「無言のサイン」
    1. 3.1.サイン①:デジタルの「温度感」が下がる
    2. 3.2.サイン②:「質問」がなくなり、「従順」になる
    3. 3.3.サイン③:小さな「欠席・遅刻」と「カメラオフ」
  4. 4.3. 「勘」と「善意」だけの管理には限界がある
  5. 5.4. 「対話(研修)」と「データ(システム)」で守る
    1. 5.1.① 第三者による「ガス抜き」の場(新入社員フォローアップ研修)
    2. 5.2.② 勘に頼らない「タレントマネジメント」の導入
  6. 6.まとめ:一人で抱え込まず、プロの「第三者の目」と「仕組み」を頼ってください

はじめに:「突然の退職」は、実は突然ではない

久しぶりの新卒採用、あるいは初めての受け入れ、本当にお疲れ様です。

社内には「新しい風が入ってくる」という期待がある一方で、担当者様の心には大きな不安があるのではないでしょうか。

「昔と違って、今の若手はすぐに辞めてしまうのではないか?」

その不安は、残念ながら的中するリスクがあります。

特に警戒すべきは、「笑顔で『大丈夫です』と答える新人」です。

かつての新人は、不満があれば顔に出したり、愚痴をこぼしたりしました。しかし、Z世代を中心とする今の若手は、衝突を避けるために「過剰適応(無理して馴染むフリ)」をします。

そして、人事が「彼は順調そうだ」と安心した矢先、ある日突然、退職代行業者を通じて連絡が来るのです。

しかし、彼らは決して「無言」だったわけではありません。退職を決意する直前、彼らは人事にだけ分かる「小さなSOSサイン」を発しています。

本記事では、久しぶりの採用だからこそ見落としがちな、新人が発する無言のサインと、それをデータと対話で防ぐための「リスク管理(タレントマネジメント)」について解説します。

1. なぜ「大丈夫です」と言うのか? リアリティ・ショックの正体

入社後3ヶ月〜半年は、理想と現実のギャップに苦しむ「リアリティ・ショック」が最も起きやすい時期です。

  • 「思っていた仕事と違う」

  • 「配属先の先輩と合わない」

  • 「成長できている気がしない」

久しぶりに新人を迎える企業では、受け入れ体制が整っておらず、新人がこのショックを強く感じやすい傾向にあります。

しかし、彼らはそれを口にしません。なぜなら、「せっかく採用してもらったのに申し訳ない(いい子でいなければ)」という真面目さと、「言っても無駄だ(どうせ変わらない)」という諦めが同居しているからです。

その結果、彼らは「大丈夫です」という「仮面」を被ります。

この仮面の下で、退職のカウントダウンは始まっています。これから紹介するサインは、その仮面がズレた瞬間に見えるわずかな予兆です。

2. 見逃してはいけない「無言のサイン」

人事担当者だけが気づける、退職直前のサインには以下のようなものがあります。

サイン①:デジタルの「温度感」が下がる

SlackやTeams、LINEなどのチャットツールに注目してください。

入社当初は絵文字を使ったり、「!」をつけていた返信が、徐々に「了解しました」「承知いたしました」だけの短文・即レスになっていませんか?

これは「業務効率化」ではありません。「感情の遮断」です。組織への愛着(エンゲージメント)が切れかかっている時、彼らはコミュニケーションコストを最小限にしようとします。

サイン②:「質問」がなくなり、「従順」になる

現場から「あの子、最近手がかからなくなったよ」と報告があったら要注意です。

新人が質問をしなくなる理由は、仕事を覚えたからとは限りません。「もう、この会社で学ぶ意欲がなくなった」可能性があります。

特に、以前は「これってどうやるんですか?」と聞いてきた子が、急に「はい、分かりました」としか言わなくなった場合、それは納得したのではなく、「諦めた(心を閉ざした)」サインです。

サイン③:小さな「欠席・遅刻」と「カメラオフ」

「体調不良で休みます」が増える前に、予兆があります。

オンライン会議で「カメラをオフにする頻度」が増えたり、出社時に「挨拶の声が小さく」なったりしていませんか?

これは心理的負荷が限界に達し、「自分の姿を隠したい(消えたい)」という無意識の防衛反応が出ている証拠です。

3. 「勘」と「善意」だけの管理には限界がある

これらのサインに気づいた時、人事はどう動くべきでしょうか?

多くの企業がやりがちな失敗は、「上司や人事が面談をして『悩みはないか?』と聞くこと」です。

断言しますが、これで本音が出てくることは稀です。

なぜなら、新入社員にとって上司や人事は「自分の評価を決める利害関係者」だからです。「悩みがあります」と言うことは、「私は能力がありません」と告白するのと同じ恐怖なのです。

また、久しぶりの採用だと、どうしても「現場の勘」や「先輩社員の善意」に依存した管理になりがちです。

しかし、Z世代の適性やスキル、メンタル状態は、ベテラン社員の経験則だけでは測りきれません。

「あの子は大丈夫そう」という主観的な判断が、一番のリスクなのです。

4. 「対話(研修)」と「データ(システム)」で守る

最悪の事態を防ぐためには、精神論ではなく、客観的な仕組みが必要です。

当社では、以下の「ソフト(対話)」と「ハード(データ)」の両面からのアプローチを推奨しています。

① 第三者による「ガス抜き」の場(新入社員フォローアップ研修)

利害関係のない外部講師だからこそ、新人は本音を吐き出せます。

「実は、先輩のこういう言い方が辛くて…」といった小さな不満を早期に拾い上げ、マインドセットを再構築します。第三者が間に入ることで、新人の孤独感を解消することが可能です。

② 勘に頼らない「タレントマネジメント」の導入

新入社員の受け入れは、組織全体の「人材管理」を見直す絶好のチャンスです。

新人のスキル、性格適性、コンディション、面談記録などを「タレントマネジメントシステム」で一元管理することで、無言のサイン(コンディションの低下など)をデータとして早期発見できます。

「システムを入れるほどではない」と思われるかもしれませんが、少人数の組織こそ、属人化を防ぐためにデータの力が有効です。

まとめ:一人で抱え込まず、プロの「第三者の目」と「仕組み」を頼ってください

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

久しぶりの新入社員受け入れは、企業にとっても大きな挑戦です。

「大切に育てたい」という皆様の想いが強いからこそ、空回りしてしまった時のショックは大きいものです。

「新人が何を考えているか分からず、不安だ」

「現場が忙しそうで、ケアが行き届いているか心配だ」

「もし急に辞められたら、どうしよう…」

そんな不安を、人事担当者様一人で抱え込まないでください。

当社は、新入社員の定着を支援する「受け入れ研修」「フォローアップ研修」の実施はもちろん、新人の入社をきっかけとした「タレントマネジメントシステムの導入・運用サポート」まで、ワンストップで支援できる数少ないパートナーです。

「まずは研修で様子を見たい」

「これを機に、社員の情報をデータ化して管理したい」

どのような段階でも構いません。「まだ退職者が出たわけではないけれど、念のために相談したい」という段階でのご相談も大歓迎です。貴社の状況に合わせた、最適なフォロー体制を一緒に考えましょう。

【無料相談】新入社員の定着・タレントマネジメントについて相談する

宮本一平
宮本一平
2014年入社。営業マネージャー。企業の採用・教育に対して戦略的・包括的サポートを行う。採用においては、トレンドに合わせて採用難度の高い「機電系」特化の大量採用の採用フロー設計やコンテンツ設計を担当し、また設立間もない「ベンチャー企業」の採用戦略設計や実務運用フォローアップなども行う。教育においては、セールスだけでなく講師も兼任し、企業ニーズに合わせたプログラム設計から、階層別研修の全体設計までトータルプロデュース。戦略的人事コンサルタントとして、採用・教育ノウハウをクライアントに還元すべく、セールスフィールドにいることをモットーとしている。プライベートでは、看護師の妻を持ち、2人の男の子の父親で、自らが外遊び大好き「全力少年」。

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