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失敗しないATS再導入:人事、IT、経営陣の「利害調整」を成功させる3つのステップとチェックリスト

— 前回・今回の導入失敗の壁を乗り越える!コンサルタントによる戦略的な関係者合意形成術 —

このコラムを特に読んでいただきたい方

  • ATSのリプレイスを検討中、または現在導入プロセスが部門間の対立で停滞している新卒採用担当者様。

  • 面接官の評価統一やCX向上を目的にATSを見直したいが、経営層やIT部門の合意を得るのに苦慮している方。

  • ATS導入を「単なるシステム導入」で終わらせず、「経営にインパクトを与える人事戦略」として位置づけたい人事責任者様。

目次[非表示]

  1. 1.ATSリプレイス検討の背景:なぜ「使いにくい」が繰り返されるのか?
    1. 1.1.失敗を招く構造:「利害調整」の失敗
  2. 2.再導入の成否を決める「利害調整」の重要性と関係者別の要求
    1. 2.1.経営層への訴求:求職者は「未来の顧客」である
  3. 3.成功への道筋:利害調整を乗り越える3つの戦略的ステップ
    1. 3.1.ステップ1:現状の「失敗原因」を関係者共通言語で言語化する
    2. 3.2.ステップ2:関係者全員が納得する「共通目標」を設定する
    3. 3.3.ステップ3:部門ごとのメリットを「翻訳」して提示する
  4. 4.【実践チェックリスト】リプレイスプロジェクトで合意を得るための具体策
    1. 4.1.1. 経営層への納得感チェックリスト(例示)
    2. 4.2.2. IT・情報システム部門への安心感チェックリスト(例示)
    3. 4.3.3. 現場の面接官への協力体制チェックリスト(例示)
  5. 5.再導入はゴールではない:新ATSの運用定着と経営戦略への組み込み
    1. 5.1.運用定着を確実にする「社外リソースの有効活用」
    2. 5.2.ATS運用を「経営戦略」として位置づける
  6. 6.ATSリプレイス成功の鍵は「利害調整」と「戦略的運用」にあり
    1. 6.1.本記事の重要なポイントまとめ
    2. 6.2.貴社の複雑なリプレイス/導入プロジェクトを私たちに託しませんか?

ATSリプレイス検討の背景:なぜ「使いにくい」が繰り返されるのか?

こんにちは、採用コンサルティングチームです。ATSのリプレイス(再導入)をご検討中、あるいは今回の導入プロセスで既に行き詰まりを感じているとのこと、その決断や苦労、お察しいたします。

「以前導入したATSが使いこなせない」「期待した効果が出ない」という理由で再導入を検討される企業は少なくありません。また、「今回、導入を進めている途中で、部門間の意見が合わなくなった」という進行形の課題も多く見受けられます。

特に新卒採用では、以下の切実な課題が背景にあります。

  • 面接官の評価のブレ: 現場評価がシステム上で統一・構造化できず、属人的な判断が横行する。

  • 応募者体験(CX)の低下: システム設定の制約により、日程調整がスムーズでなかったり、必要なフォローメールが自動化できず、学生の辞退が増える。

失敗を招く構造:「利害調整」の失敗

しかし、一つ重要な質問をさせてください。なぜ、前回や今回のATS導入プロジェクトは、スムーズに進まなかったのでしょうか?

原因は、システムの機能不足だけでなく、「関係者間の利害調整の失敗」にあるケースが非常に多いのです。

ATS導入は、人事だけのプロジェクトではありません。人事、IT部門、現場の面接官、そして経営陣が、それぞれ異なる目的や不安を抱えたまま導入を進めると、システムは誰からも「使いにくい」と評価され、形骸化してしまいます。

リプレイスや、今回進行中のプロジェクトを成功させるには、複雑な利害を一致させ、ATS導入を「経営にインパクトを与える人事戦略」として位置づけることが不可欠です。このコラムでは、そのための具体的なステップとチェックリストを解説します。

【参考コラム】

再導入の成否を決める「利害調整」の重要性と関係者別の要求

ATSの再導入や、現在進行中の導入プロセスを推進する上で、各ステークホルダーが持つ「利害」と「懸念事項」を理解することが、合意形成の出発点です。

経営層への訴求:求職者は「未来の顧客」である

経営層にATS導入の重要性を理解してもらうには、「コスト」ではなく「人への投資戦略」として捉える視点が不可欠です。

採用活動における応募者や学生は、将来的な顧客、ビジネスパートナー、そして貴社の強力なファン(ステークホルダー)になる可能性があります。ATSによって応募者体験(CX)が損なわれることは、未来の「顧客体験」を毀損するリスクに直結します。

ATS投資は、人・もの・金のうち、最もリターンが大きい「人」への投資であり、その基盤を固める戦略であると明確に打ち出しましょう。

関係者

利害(導入メリット)

主な懸念事項(懸念される利害)

経営陣/役員

経営インパクト: 優秀人材の安定確保、「未来の顧客」を育むCXの基盤構築

投資リスク: 前回や今回の導入で高い費用対効果が得られるか。

IT部門/情報システム

システム統一: セキュリティ強化、既存システム(HRIS)との連携・整合性。

セキュリティリスク: 新規システムの統合負荷、データ連携の技術的難易度。

現場の面接官/部門

業務負荷軽減: 面接評価の簡素化、日程調整の自動化、質の高い面接への集中。

使いやすさ: 新しいシステムの操作習熟コスト、評価入力の煩雑化。

人事部門(採用担当者)

効率化と戦略化: 業務工数削減、正確なデータに基づく採用戦略の立案。

運用定着: 現場が使ってくれないこと、カスタマイズや運用保守の負担。


【おすすめATS】

成功への道筋:利害調整を乗り越える3つの戦略的ステップ

複雑な利害調整を成功させ、スムーズにATS再導入・新規導入を進めるためには、以下の3つのステップを戦略的に踏む必要があります。

ステップ1:現状の「失敗原因」を関係者共通言語で言語化する

前回や今回のATSがなぜスムーズに進まないのか、原因を特定します。この際、人事の都合ではなく、関係者それぞれの視点で課題を言語化します。

  • ✕ 採用担当者の言語: 「前のATSはメール設定が煩雑で工数がかかった。」

  • 〇 IT部門の言語: 「前のATSは既存のHRISとデータ連携が困難で、セキュリティポリシーも満たせなかった。」

  • 〇 経営層の言語: 「前のATSは、採用活動における最も高コストな工程(面接)の質をデータで担保できなかった。」

ステップ2:関係者全員が納得する「共通目標」を設定する

ATSリプレイス/新規導入の目的を、部門横断的な共通ゴールに昇華させます。

  • 共通目標例: 「ATS再導入により、応募者体験(CX)を向上させ、採用活動を『未来の顧客育成』の場と位置づける。面接官の評価統一率を〇〇%改善し、優秀人材の定着率を〇〇%向上させる。」

  • ポイント: 目標を単なる機能要件ではなく、「会社の成長と顧客体験に貢献する指標」と結びつけることで、プロジェクトの優先度が高まります。

ステップ3:部門ごとのメリットを「翻訳」して提示する

新ATS導入によるメリットを、各部門の「利害」に合わせてカスタマイズして提示します。

  • 現場の面接官へ: 「手書き評価やメールでのフィードバックが一切不要になり、質の高い面接に集中できる時間が増えます。」

  • IT部門へ:セキュリティ基準を満たした連携を専門業者に一任するため、IT部門の統合負荷を最小限に抑えます。」

この戦略的な利害調整プロセスを適切に実行するには、採用戦略とIT知見を併せ持つ外部コンサルタント(貴社)のサポートが非常に有効です。

【実践チェックリスト】リプレイスプロジェクトで合意を得るための具体策

複雑な利害調整を経て合意形成を達成するために、リプレイス/新規導入プロジェクトで必ず実施すべき項目を、関係者別にチェックリスト化し、導入前に全方位の合意を形成することの重要性を強調します。

【重要:チェックリストの役割】

このチェックリストは、単なるタスクリストではありません。関係者間で認識のズレがないかを確認し、合意形成の証拠とするための重要ドキュメントです。この高度なチェックリストの作成と運用には、採用戦略とIT知見を併せ持つ専門家のサポートが不可欠です。

当社は、貴社の状況に合わせたカスタマイズされたチェックリストと推進ロードマップを、プロジェクト初期段階で作成・推進いたします。

1. 経営層への納得感チェックリスト(例示)

項目

実施内容

コスト構造の提示

新ATSで削減される業務工数と、削減効果(人件費換算)を明示する。

失敗要因の明示

前ATSの失敗原因(利害調整の欠如など)を明確に示し、今回の対策(コンサルタントの活用など)を提示する。

採用質への貢献

ATS導入後の採用質KPI(評価統一率、早期離職率)を設定し、改善目標を示す。

CXの投資対効果

CX向上が企業ブランドや将来の顧客獲得に与える影響をデータ(辞退率、企業評価など)で示す。

2. IT・情報システム部門への安心感チェックリスト(例示)

項目

実施内容

セキュリティ検証

新ATSのセキュリティ基準、個人情報保護法対応状況を事前にIT部門が監査する。

連携技術の保証

既存システムとのデータ連携方法(API連携など)を明確にし、技術的な検証を外部パートナー(貴社)が保証する。

運用責任の明確化

システム運用・保守の一次責任と二次責任(ベンダー/貴社)を明確化する。

3. 現場の面接官への協力体制チェックリスト(例示)

項目

実施内容

負担軽減の約束

新ATS導入後の面接官の操作ステップ数を具体的に提示し、前ATSより負担が減ることを証明する。

評価基準の統一

新ATSの評価シートを使った面接官向けの統一研修を実施する。

フィードバック収集

導入後の使いやすさに関する面接官からのフィードバックを収集し、システム設定に反映する仕組みを設ける。


再導入はゴールではない:新ATSの運用定着と経営戦略への組み込み

ATSを再導入し、複雑な利害調整を経てシステムが稼働したとしても、それは成功のスタートラインに立ったに過ぎません。前回の失敗や、今回発生している停滞を繰り返さないためには、「運用定着」と「戦略的な活用」が不可欠です。

運用定着を確実にする「社外リソースの有効活用」

新しいシステムを現場に定着させるには、採用担当者や面接官へのきめ細やかなサポートが必要です。

  • プロによる初期設定と研修: 貴社の専門的なコンサルタントが、利害調整された最終仕様に基づいてATSのセットアップを確実に行い、現場の利用定着を見据えた操作研修とマニュアル整備を実施します。

  • 定着化の伴走: 導入後1ヶ月、3ヶ月と定期的に利用状況をデータでチェックし、使われていない機能や発生した課題を即座に修正する伴走サポートが不可欠です。

ATS運用を「経営戦略」として位置づける

新しいATSは、単に採用活動を効率化するだけでなく、採用データを経営判断に活かすインフラです。

  • 人への投資戦略: 採用活動が、人・もの・金のうち「人」への戦略的投資であることを明確にし、ATSのデータをもってその投資効果を測定・改善していきます。

  • 経営層へのレポートライン確立: 採用質やCXの改善状況を、経営層が求めるKPI(評価統一率、早期離職率)に合わせてATSのレポート機能で定期的に報告する仕組みを構築します。

リプレイスや新規導入は、過去の失敗を教訓に、未来の採用戦略を描き直す最大のチャンスです。この複雑で高度なプロジェクトを成功に導くためには、利害調整から運用定着までを担える外部の専門家に依頼することが、最もリスクの低い選択肢です。

ATSリプレイス成功の鍵は「利害調整」と「戦略的運用」にあり

ATSのリプレイスを検討中、あるいは現在の導入プロセスに行き詰まりを感じている採用担当者様へ。前回や今回の導入がスムーズに進まない原因の多くは、システムの機能不足ではなく、人事、IT、現場、経営陣の「利害調整」の失敗に起因します。

本記事の重要なポイントまとめ

  1. 失敗の原因: 過去のATS導入失敗や現在の停滞は、関係者の目的や懸念が一致しないまま進められた利害調整の失敗によるものです。

  2. 成功の3ステップ: 複雑な利害を乗り越えるには、失敗原因の共通言語化、部門横断的な共通目標の設定、メリットの部門別翻訳が必要です。

  3. 経営インパクト: ATS導入を「人への投資戦略」と位置づけ、CX向上による「未来の顧客体験の向上」として、経営層が納得するKPIに翻訳することが不可欠です。

  4. チェックリスト活用: ITセキュリティや現場負担軽減など、関係者別のチェックリストを活用し、導入前に全方位の合意を形成します。

  5. 運用定着まで伴走: 再導入/新規導入はスタートラインであり、前回の失敗を避けるため、運用定着と戦略的な活用まで専門家のサポート(貴社)が必要です。

貴社の複雑なリプレイス/導入プロジェクトを私たちに託しませんか?

貴社が抱えるリプレイスや現在進行中の導入プロジェクトは、高度なプロジェクトマネジメントと、採用戦略、IT、経営視点のすべてを統合する専門知識を必要とします。

当社は、単なるシステムベンダーではありません。 採用コンサルティングのプロフェッショナルとして、この複雑な利害調整プロセスにおいて、貴社と各関係者の間に立ち、「経営にインパクトを与えるATS運用戦略」を設計し、運用定着までを担います。

初回商談から、貴社のリプレイス/導入を成功に導くためのカスタマイズされた利害調整ロードマップとチェックリスト作成のサポートをご提示いたします。前回・今回の課題に終止符を打ち、成果を出すATS運用を始めましょう。

▼ リプレイスプロジェクトに関する無料相談・利害調整チェックリスト作成サポートのお問い合わせはこちら ▼




宮本一平
宮本一平
2014年入社。営業マネージャー。企業の採用・教育に対して戦略的・包括的サポートを行う。採用においては、トレンドに合わせて採用難度の高い「機電系」特化の大量採用の採用フロー設計やコンテンツ設計を担当し、また設立間もない「ベンチャー企業」の採用戦略設計や実務運用フォローアップなども行う。教育においては、セールスだけでなく講師も兼任し、企業ニーズに合わせたプログラム設計から、階層別研修の全体設計までトータルプロデュース。戦略的人事コンサルタントとして、採用・教育ノウハウをクライアントに還元すべく、セールスフィールドにいることをモットーとしている。プライベートでは、看護師の妻を持ち、2人の男の子の父親で、自らが外遊び大好き「全力少年」。

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