
【採用担当者向け】OfferBox(オファーボックス)を使ってみた!~感想と効果的な使い方~【2027卒版】
採用手法として、今注目されているダイレクトリクルーティング。
今までのナビなどに掲載して応募を待つ「受け」の採用ではなく、欲しい人材を企業が自ら探してアプローチしていく「攻め」の採用手法です。
新卒採用でのその代表的なサービスがi-plugが運営するOfferBox(オファーボックス)です。
採用業務アウトソーサーの視点から、実際にOfferBoxを使ってみてのその使い勝手や特徴、効果などを第三者目線で紹介してみたいと思います。
また、使ってみて気づいた効果的な使い方などもご紹介します。
ダイレクトリクルーティング導入検討の際の参考になれば嬉しいです!
OfferBoxを利用してみたい採用担当者の方はこちら
株式会社採用総研
・OfferBoxゴールドパートナー
・OfferBox検定取得率100%
目次[非表示]
- 1.OfferBoxってこんなサービス
- 1.1.オファー枠の考え方
- 1.2.学生情報
- 1.3.埋もれないための仕組み
- 1.4.料金設定
- 1.4.1.早期型プラン
- 1.4.2.成功報酬型プラン
- 1.4.3.早期型と成功報酬型どちらが良いのか?
- 1.5.OfferBoxを利用した学生の評判
- 2.企業情報を掲載してみた
- 3.学生を検索してみた
- 4.実際にスカウトしてみた!
- 5.大量のスカウトで埋もれないための工夫がいっぱい
- 6.学生はアプリでスカウト確認
- 7.『おすすめ企業』機能と『検討する』機能
- 8.改善して欲しいところ
- 9.承認率は?実際に会えるの?
- 10.実際に自社の採用で使ってみた(2026卒)
- 11.まとめ
OfferBoxってこんなサービス
株式会社i-plug が運営するオファー型採用サイトです。
OfferBoxに登録する豊富な学生データを検索して、会いたい学生に直接アプローチします。
登録学生は21万5,000人以上(2025卒)。就活生の3人に1人が利用しており、就活生の最も利用した就職ナビ・逆求人サイトとしてマイナビ、リクナビの巨大サイトに迫る5位。逆求人サービスでは5年連続№1のサービスです。(HR総研調査)
20,000社以上の企業が利用する(2025年3月終了時点)新卒ダイレクトリクルーティングの代表サービスと言えます。
オファー枠の考え方
利用企業には採用目標数に応じてオファー枠が設けられ、1枠で1名の学生にスカウトを送信できます。
通数ではなく枠という考え方がOfferBoxの特徴です。枠数なので使い捨てではなく枠が空けば繰り返し利用が可能です。
例えば120名の学生にスカウトを送信し、70名がオファーを辞退、50名がオファーを承認した場合、70枠がまた復活し、別の学生にスカウトができるようになります。
オファー承認後、学生が辞退もしくは選考不合格になった場合も枠が復活します。
また、スカウトから学生が無反応で3日間(2025年1月に1週間から変更)が経過するとオファー辞退とみなされ自動的に枠数が復活します。
つまり期間内であれば採用数が確保できるまで無限にスカウトが送信できます。
学生情報
学生情報は34項目にもなり、大学名学部学科など学校情報だけでなく、自己PRや自分の目指す将来像、大学時代、高校時代などの過去のエピソード、インターンや留学の経験、資格やスキル、経験など詳細に登録されています。理系であれば研究内容も登録できます。また志望業界や志望職種、大手企業志向かベンチャー志向か、企業選びの価値観など志向も詳細に登録されています。さらに顔写真や自分を象徴する写真で学生の雰囲気や人となりが伝わるプロフィールとなっています。
またOfferBoxでは学生が適性検査を受検できるようになっているため、学生の適性検査の結果もわかるようになっています。
企業はこれらのプロフィールや適性検査の結果を元に、細かく絞り込んで学生にオファーをすることができます。
埋もれないための仕組み
上述のオファー枠は期間内であれば無限に送信できますが、枠数があるため送信数には制限がかかります。
また一括送信機能が無く、あえて1通1通送信しないといけない手間がかかる仕様になっています。
学生側も受けられるオファー枠数がOfferBoxの利用状況により、6社~15社と制限があり、辞退しないままだとそれ以上のオーファーが来ない仕組みになっています。
このように、スカウト流通数に制限をかけ、就職ナビのDMのように1日何十通も到着して埋もれてしまうような事がおこらない工夫がされています
料金設定
OfferBoxには初期費用が発生する早期型プランと内定承諾時に料金が発生する成功報酬型プランの2つのプラン設定があります。
早期型プラン
採用数(最低3名から)に応じて最初に利用料金が発生します。
申込み採用数以上を採用する場合は1名ごとに下記の成功報酬型の料金が発生します。
3年生になったばかりの4月からスカウトができるため、早期からの接触やインターンシップへの動員などが可能です。また大手就職ナビのような就職協定の縛りが無いため、解禁前の選考もできます。
・早期型3名プラン 75万円 早期オファー枠120
・早期型5名プラン 125万円 早期オファー枠200
・早期型10名プラン 250万円 早期オファー枠400
成功報酬型プラン
初期費用などは発生せず、内定承諾時に1名につき38万円の料金が発生します。
採用活動が解禁され、活動が本格化する4年生になる直前の3月からスカウトができます。
内定承諾後の辞退の場合、料金は返金されます。
採用予定数ごとに40のスカウト枠が設定されます。
・3名内定承諾の場合 38万円×3=114万円 オファー枠120
内定承諾後辞退の場合、返金
早期型と成功報酬型どちらが良いのか?
優秀学生を採用するには早期から接触した方が絶対有利です。特に理系学生は活動が早く早期からのアプローチが欠かせません。
オファー承認率も早期であればあるほど高くなる傾向がありますので、ある程度の接触数を確保しようと思うと、早期からの利用が必要です。
ただ採用できなくても料金が発生してしまいますし、同様に利用料として料金が発生する就職ナビや就職イベントに比べると、採用単価25万円は企業によっては割高に感じる会社もあるかと思います。
成功報酬型であれば内定承諾しないと料金は発生しないので効率的ですが、早期プランに比べると割高です。また3月以降の学生の質は早期に比べると見劣りしますし、オファー承認率も3月以降はガクっと落ちますので、スカウトを送信してもなかなか承認してもらえなくなってしまいます。
すでに活動が本格化しているため競合企業も多く、オファー承認してせっかく学生と会えても、選考中、内定後の辞退も多く、内定承諾まで難しい可能性もあります。
優秀学生や理系学生を積極的に採用していくなら早期プラン。通常の採用活動の補完や内定辞退などによる欠員補充が目的なら成果報酬型がオススメです。
OfferBoxを利用した学生の評判
当社の就職活動モニター学生にも、OfferBoxを使っていた学生が多くいましたので、実際に使ってみての学生視点での感想や評価を聞いてみました。
法政大学法学部 精密機器商社入社予定
3年生の夏ごろにOfferBoxに登録し、スカウト経由で10社ほどの採用担当者の方とお会いしました。
自己PRなどしっかり読んでくれた上でオファーが来るので、自分に合った企業からのオファーに思えて、オファーしてくれた企業には積極的に応募していきました。
マイナビなどからのエントリーでは、まずはインターンやオープン・カンパニーへの参加が求めらる事が多かったのですが、スカウト経由の企業はオファー承認学生向けの個別面談が用意されている事が多く、企業の採用担当者の方と1対1でじっくり話せることが多いのが良かったです。
自分が全く知らなかった企業や、思ってもいなかった業界からのオファーがあり、マイナビでは出会えなかった企業の事を知れました。
漠然と営業職かな?くらいしか就職の事は考えてなかったのですが、OfferBoxでオファーがあった企業の採用担当者の方に、なぜ営業職なのか?商社での営業とメーカーなどの営業の何が違うのか?など親身にお話いただいて、この企業への就職を決めました。
東京理科大学工学部 自動車部品メーカー入社予定
大学院への進学と悩みましたが、結局就職する事に決めた3年生の夏ごろにOfferBoxに登録しました。
好きだった自動車関連の仕事を考えていましたが、自己PRに自動車が好きだった事を書いていたこともあり、自動車関連のメーカーからたくさんオファーが届きました。
マイナビやリクナビでは、ぱっと見、自動車と関連があるかわからず、企業ページやHPを調べるのが手間でしたが、その点オファーボックスは自動車関連でかつ、自分の大学で学んできたことを活かせるオファーだったので、とても効率的に就職活動が進められたと思います。
オファーをいただいた企業の採用担当者の方にも、自分の専攻だったら参考になるインターンを進めていただいたり、自分の学んできたことが、どう活かせるのかアドバイスいただき、就職を決めました。
自分に合った企業からのオファーが来る。思ってもみなかったり知らなかった企業からオファーが来る。など自分の活動の幅が広がり、効率的に活動できるという点から学生の評判は良い声が多く聞かれました。
タイパを気にする今の学生にあった企画とも言えます。
企業情報を掲載してみた
企業情報はマイナビなどに比べると比較的簡素です。動画やプレゼン資料などアップできますが、あくまでスカウトサイトなので学生に企業原稿を見てもらって応募してもらうという事をあまり狙っていないのがわかります。
学生を検索してみた
基本的な検索
ログイン日時、性別、専攻、現住所エリア、志望勤務地、志望企業のタイプ(大手、中小、老舗、ベンチャー)と基本的な学生検索が可能です。
性別で検索できるのは、マイナビなど主要サイトではできない機能なので企業によっては重宝しそうです。
さらに絞り込み検索
国公立や私立などの学校系統と院生、学部生検索などピンポイント検索ができますが、重要なのは志望業界、志望職種で検索できる機能。実際にスカウトしてみましたが、志望業種、志望職種がマッチしてるとスカウトの承諾率が全然違います。
その他、TOEICやフリーワード検索ができます。
OfferBoxに実装されている適性検査で検索できるのも、マッチングの精度が上がる検索だと感じました。
実際にスカウトしてみた!
スカウト文面はテンプレートで保存できますが、やはり効果を考えると学生の自己PRをしっかり読んで、自己PRに合わせて文面を作成する必要があります。
また、一括送信などの機能もありませんので、同じ文面だとしてもそれなりに手間がかかります。
これが、マイナビやリクナビのDMと違い、採用担当が気軽に大量送信できないようにあえてしておき、大量のスカウトで埋もれるのを防いでいるのがよくわかります。
実際にやってみると、思った以上に工数がかかりますので、やはりダイレクトリクルーティング導入に当たって、一番の課題だと感じました。
スカウトの送信数によってはスカウトの代行を検討しても良いと思います。
大量のスカウトで埋もれないための工夫がいっぱい
ただ手間がかかるだけでなく、企業は1名採用につき40枠しかスカウトが送信できず、学生も6~15枠しかスカウトを受信できない仕組みになっており、スカウトの質を担保しています。
枠数は学生がオファーを辞退するとまた復活しますので、40枠使い切ったら終わりではありません。これもうまい設定だと思いました。
学生はアプリでスカウト確認
学生はオファーがあるとプッシュ通知でわかるようになっており、その後はLINEのようなメッセージアプリとしてオファー企業とやりとりできます。
『おすすめ企業』機能と『検討する』機能
学区が登録している希望条件(職種・業界・勤務地)や、OfferBox上での行動履歴から、相性の良い学生に対して「おすすめ企業」として学生に告知されます。
学生は企業情報を閲覧し、「興味がある」とアクションできるので、アクションがあった学生にスカウトを送信する事ができます。
また企業も「検討する」で学生にスカウトはまだしてないがスカウトを検討している事を学生に伝える事が1クリックでできます。
学生はスカウトを検討してくれている企業の企業情報を閲覧し、スカウトをして欲しい時は上記の「興味がある」でその企業にスカウトを促すことができます。
こちらには枠数は無いので、ダイレクトリクルーティングサービスが苦手な大量アプローチができる仕組みになっています。
まずは「検討する」でアプローチして学生から「興味がある」で反応があった学生にオファーする事で効率的なスカウトも可能です。
改善して欲しいところ
確かに学生の登録数は多いのですが、意外とプロフィールをちゃんと書いていない学生も多いです。
そのためオファーしたくてもできない学生が多く、もったいなく感じました。
特に理系採用だと研究内容を知りたいところですが、研究内容を全く記入していない学生も多くいるため研究内容まで絞り込んだオファーは難しいと感じました。
承認率は?実際に会えるの?
企業やターゲット、オファー文面、時期によって承認率は変わるので一概に言えませんが、私の印象だと承認はしっかりしてくれました。i-plugの公表だと大体スカウトの開封率が80%とかなり高く、承認率も1%~15%程度の承認率のようです。
マイナビなどの巨大サイトのDMは開封率が1%とかなので、比べるのも違うのですが、圧倒的な開封率、反応率となっています。
また、承認してくれた学生は思った以上に説明会、面接に参加してくる印象です。
これもマイナビなど巨大サイトのエントリーと比べるものではありませんが、圧倒的です。ただ、WEB面接、WEB説明会にはよく参加してくれるのですが、対面になると途端に厳しくなる印象です。これはコロナ禍でWEB説明会、WEB面接が一般化した影響なのか、OfferBoxの特徴なのかはわかりません。
実際に自社の採用で使ってみた(2026卒)
自社の採用でもOfferboxを利用していますので、実際の実績を公開いたします。
当社は大阪本社のため、東京での採用で苦戦していたため、東京営業職の採用にターゲットを絞って利用しました。
◆利用プラン
早期3名利用プラン
◆スカウト対象設定
人材業界志望者/営業職希望者/東京勤務希望者
◆スカウト送信時期
2024年10月から2025年2月まで送信
◆スカウト送信数
2,434通
◆オファー承認数
122名(承認率5%)
◆個別面談参加者
58名(承認からの参加率47.5%)
◆選考参加者数
30名(選考参加率51.7%)
◆内定者数
4名
◆内定承諾者数
3名
本社ではない東京の学生向けかつ、競合の多い人材業界の営業職でのオファーだったので、オファー承認率は5%程度でしたが、大阪ならもっと承認数は増えたように思います。
また、個別面談に参加後、実際に選考に応募する学生がマイナビなどナビサイト経由の学生より応募率が下がりました。
これは、ナビサイトが学生が自分の意志でエントリーしているのに比べ、スカウトという性格上、決して志望度が高い訳ではないのが原因だと思います。
個別面談での企業理解と志望度を高める工夫が必要に感じました。
反面、選考に参加してくれた学生の志望度は高く、また自己PRから絞り込んだ学生にオファーしているためか、もしくはスカウトサイトに登録している学生が意識の高い学生が多いためか、選考合格率もナビ経由の学生に比べ高かったです。
何より、ナビサイトでは今まで会えなかった層の学生と接触できたのは大きかったです。
明らかに、いままでとは違うタイプの学生の応募が増えました。
これはスカウト開封率80%という企業規模や知名度の影響が少ない手法だからこそだと思います。
また、ナビ経由では全体の応募者数は多いものの、大阪勤務希望者が大半で東京勤務の応募者はかなり少なかったのですがOfferBoxを利用する事で、単純に応募者数を大幅に増やすことができました。
結果、1名内定辞退は出たものの、目標の3名の内定承諾となりました。
まとめ
スカウトの工数が最大の課題です。これがクリアできないとダイレクトリクルーティングの導入は難しいですし、ここはOfferBoxの肝なのでどうしようも無いと思います。ただちゃんと手間をかける事ができるなら、十分手ごたえを感じる手法です。
また、ナビの応募者と違い、自分から応募したのではなくオファーされた学生ですので、ファースト接触の段階では決して志望度が高いとは言えず、通常の選考ルートとは違う対応が必要だと感じました。ナビ経由の学生と同様に説明会やインターンに呼び込むのではなく、オファー承認学生限定の個別面談や早期限定説明会など、プレミアム感を出したり、じっくりと口説く対応が大切です。
採用総研ではスカウトの運用代行、オファー文面の提案などお手伝いいたします。
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参考コラム