
採用ピッチ資料の「技術情報」更新ガイド:情報工学系学生に響く「技術的負債」の伝え方と構成のヒント
エンジニア志望の理系学生に自社の魅力を知ってもらうために、SpeakerDeckや自社採用サイトに公開している「採用ピッチ資料(会社説明資料)」を見直している人事担当者様も多いのではないでしょうか。
「去年から技術情報が更新されていないけれど、自分はエンジニアではないから何を書けばいいか迷ってしまう」
「とりあえず、文系向けの会社説明資料に『開発言語のロゴ』を足して活用しよう」
そのようにお悩みになるお気持ち、非常によく分かります。
しかし、文系採用と同じ構成で作られたピッチ資料は、情報系の学生が求めている情報と少しズレてしまうことが多く、「知りたいことが書かれていない」と途中でページを閉じられてしまう(離脱される)原因になることも少なくありません。
今回は、株式会社採用総研が現場でのご支援を通じて見えてきた、エンジニア志望の学生にしっかり読み込んでもらえるピッチ資料の「構成のヒント」と、お忙しい現場エンジニアの方々にご協力いただくための工夫についてお伝えします。
【この記事の要約】
現状:文系採用でよくある「企業紹介→業績→仕事内容」という構成は、エンジニア学生にとっては少し物足りなく感じられることが多い。
解決策:「自社のシステムがなぜ社会で重要なのか」を軸に、「過去の苦労(技術的負債)」と「それを乗り越える技術力や風土」を一つのストーリーとして伝えるのがおすすめ。
運用:現場エンジニアの方々は開発で多忙なため、採用活動への協力ハードルが高い傾向にあります。事前アンケートや他業務の「ついで」にヒアリングするなどの配慮が大切です。
目次[非表示]
エンジニア学生が「離脱」してしまいがちな資料の特徴
A.文系向けと同じ「よくある構成」になっていませんか?
エンジニア志望の学生がピッチ資料を読むとき、彼らは「この会社でどんな技術的課題に挑戦できるか」「自分のスキルがどう活きるか」を一番に探しています。
しかし、多くの企業様が作られる資料の中で、少しもったいないと感じるのが以下のような構成です。
【よくある資料の構成(もったいない例)】
企業理念・会社概要
業績紹介・事業内容
募集職種・仕事紹介(ここに少しだけ開発言語のロゴを置く)
先輩社員の1日
募集要項・福利厚生
この流れは、総合職の学生には全体像が掴みやすくとても親切です。しかしエンジニア学生にとっては、「技術的な詳しい話がなかなか出てこない」と感じられ、少し読みづらさを与えてしまうことがあります。
彼らが本当に知りたいのは、最新技術の羅列でも会社の売上推移でもなく、「技術を使って、現場でどんな問題解決をしているか」というリアルな情報なのです。
学生の心を掴むヒントは「技術的負債の克服ストーリー」
A.負債を隠さず、それにどう立ち向かっているかを伝える。
では、どのような構成にすれば、学生に最後まで興味を持って読んでもらえるのでしょうか?
私たちがおすすめしている、エンジニア学生の心に響きやすい「ストーリー展開のヒント」をご紹介します。
【エンジニアの共感を呼ぶ5つのステップ】
1.なぜ当社が業界で重要視されているのか?(存在意義)
社会課題に対して、自社のサービスがどう貢献しているかを技術的な視点から説明します。
2.どのようなシステムを構成しているからか(技術的優位性)
他社にはない、自社独自のアーキテクチャやシステム構成を図解などで分かりやすく伝えます。
3.過去にはこのような「苦労」があった(技術的負債の開示)
★ここが一番のポイントです。10年前の古いコード(レガシーシステム)で苦労したお話など、あえて「技術的負債」を隠さずにお伝えします。
4.それを乗り越えているのは、当社の「技術力の高さ」である(課題解決)
その負債から目を背けず、リファクタリング(コードの整理)やモダンな環境への移行をチームでどう進めているかを語ります。
5.それを支える「技術支援・教育・マインド」(カルチャー)
課題に立ち向かうための社内勉強会やコードレビュー体制など、「技術を高めようとする組織風土」で締めくくります。
いかがでしょうか。「最新のAIをやっています」と華やかに語るよりも、「古いシステムという過去の遺産を、チームの技術力でどう乗り越えようとしているか」をお伝えする方が、「技術に真摯に向き合う、信頼できる会社」として学生の心に深く刺さるはずです。
お忙しい現場エンジニアの方々に、どう協力いただくか?
A.「採用のお手伝い」の負担を、最小限に抑える工夫を。
こうした「開発現場のリアル」を資料に落とし込むには、現場のエンジニア(CTOやテックリードの方々)のご協力がどうしても必要です。
しかし、人事担当者様が「資料を作りたいからインタビューさせてほしい」とお願いしても、「インタビューは長いし…」「開発で手一杯だから、採用に関わる余裕がない」と敬遠されてしまうことも多いのではないでしょうか。
エンジニアの方々からすれば、日々の開発業務や納期がある中で、直接の評価に繋がりにくい採用活動に時間を割くのは難しいと感じるのが自然です。
現場の方々を巻き込むには、「良い後輩が入れば、将来的にチームの助けになる」というメリットをお伝えするとともに、「皆さんの貴重な時間を奪わない工夫」が何より大切です。
【採用総研が実践している、現場への配慮】
私たちがピッチ資料作成をご支援する際は、現場の方々の負担を極力減らすため、以下のようなアプローチをとっています。
ご都合の良い時に書ける「事前アンケート」の活用:隙間時間にテキストで答えられるフォーマットをご用意します。
「ついで」のヒアリング:ナビサイトの原稿作成や採用動画の撮影など、現場の方々が「すでに確保してくださっている時間」の中で、ピッチ資料に使える技術的なお話も一緒に伺います。
私たちのような第三者が入ることで、社内の人事担当者様には少し気を遣って言えないような「開発現場のリアルな悩みや課題(=学生に刺さる最高のコンテンツ)」を、自然な形で引き出すお手伝いができればと考えております。
そのピッチ資料、公開前に客観的なアドバイスを受けてみませんか?
採用ピッチ資料は、一度公開すると貴社のエンジニアリングブランドを形作る大切な顔になります。
だからこそ、「文系から見た魅力」と「情報系の学生から見た魅力」の小さなズレを、少しでも無くしておきたいところです。
「現場からお話は聞けたけれど、どうストーリーに落とし込めばいいか迷っている」
「今の資料が、エンジニア学生の視点から見てどう映るか、一度客観的な意見が欲しい」
そんな時は、ぜひ株式会社採用総研にご相談ください。
【無料相談】採用ピッチ資料のレビュー・アドバイス
貴社が現在ご使用中、または作成中のピッチ資料を拝見し、エンジニア志望の学生の視点から、より良くなるためのアドバイスをさせていただきます。足りない情報や、より魅力が伝わるストーリーラインのヒントをご提案いたします。
👉【ピッチ資料レビュー・無料相談】株式会社採用総研へのお問い合わせ
【編集後記:採用担当者様へ】
情報工学を学ぶ学生さんたちは、日頃からプログラムのバグを見つけることに長けています。だからこそ、企業が発信する情報に少しでも「背伸び」や「ごまかし」があると、敏感に感じ取ってしまいます。
「今のウチのシステムはこんな泥臭い部分もあるけれど、一緒に綺麗にしていかないか?」
その飾らない誠実なスタンスこそが、優秀なエンジニアの方々を引き寄せる、一番の魅力になるはずです。
学生さんがワクワクして最後まで読みたくなるような素敵な資料を、ぜひ一緒に作っていきましょう。








